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憧れの「田舎暮らし」で後悔しないために

JIJICO / 2014年8月28日 12時0分

憧れの「田舎暮らし」で後悔しないために

憧れの「田舎暮らし」で後悔しないために

「田舎」と一口に言っても場所の検討は不可欠

都市部に住む人で、田舎に住みたいと考える人の割合が大幅に増えているようです。内閣府が行った世論調査によると、都市部に住む人のうち、「農山漁村地域に定住してみたいという願望がある」と答えた人の割合は約32%で、前回(2005年)と比較すると約11ポイントも増加しました。

当社は いわゆる「ど田舎」に事務所を構えて約100年。これまで、田舎に家を建てるお客さまと一緒に家をつくってきました。そんな経験から少しお話を。

まず、これから描く生活スタイルをしっかりと家族で話し合うことが大切です。例えば、当社の近くには公立の小・中一貫校があり、子どもを通わせたいと考える保護者も多いと聞きます。また、緑豊かな場所であることから「自然に囲まれた環境で子育てをしたい」と思う人には魅力があるのでしょう。さらに、車で15~20分も走れば駅やスーパー、総合病院、学習塾があるため、子育て世代には教育・環境・通勤の要素が揃った、比較的「便利な田舎」といえます。

このように、「田舎」と一口に言っても場所の検討は不可欠です。街に出るのに2~3時間以上かかる公共交通機関がないような人里離れた田舎なのか、街までは車で少し走れば行けるけど鉄道の駅がない田舎なのか、鉄道の駅が近いけれど街まで1時間以上かかる田舎なのか。選ぶ場所によって、生活はガラリと変わります。子育て世代は、やはり学校の場所と通勤を考える必要はあるでしょう。また、セカンドライフを楽しみたいシニア世代は、街までの適度な距離と近くにホームドクターとなるような病院があることもポイントかと思われます。

田舎で家をつくる際の注意点

次に、実際に住む「家」について。新築を希望される場合は、土地から探すことが多いと思いますが、田舎には「家を建ててください」と用意された土地はあまりありません。売地であっても家を建てられない場所もありますので、注意が必要です。また、「農業従事者でないと家を建てられない」ということもあるため、紹介者や不動産業者によく確認しましょう。

また、今、注目の古民家リフォームの場合は 既存の建物に注意する必要があります。リフォーム済み物件を購入するケースも、購入後に業者を決めてリフォームを依頼するケースも、確認すべきポイントはほぼ同じです。個人的には、リフォームに関してしっかりと打ち合わせができる後者をお勧めします。「建物は命を守る」という観点から安心・安全面を考えると、耐震性と断熱性は外せません。古民家は開口部が多いため、単に柱が太いだけでは不安です。「筋違(スジカイ)を入れれば大丈夫」という一概には言えませんので、どこにどれだけの補強が必要かを判断できる業者に施工してもらうほうが安心でしょう。そういう意味では、屋根材が何であるかも重要です。上が重いと当然下の柱や壁に負担がかかりますし、茅葺のままですとメンテナンスが大変です。少し寒い地域の田舎暮らしを希望する場合は、冬場のことを考えて断熱の対策も取るべきです。

今は憧れの「田舎暮らし」も、生活を始めると現実的な問題が発生します。家族でしっかりと話し合って、後で後悔しないように住む場所や間取りを選んでください。

(岡田 邦彦/一級建築士)

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