代ゼミの予備校ビジネス縮小から学ぶ教訓

JIJICO / 2014年9月10日 12時0分

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代ゼミの予備校ビジネス縮小から学ぶ教訓

事業縮小の核心は少子化とは別のところにある

「志望校が母校になる」。これは代々木ゼミナールのコーポレートコピーです。「第一志望は、ゆずれない」の駿台予備学校、「すべては一人ひとりの生徒のために」の河合塾とともに三大予備校と称せられています。

8月28日、代々木ゼミナールは「お知らせ 平成27年度の校舎集約・事業再編について」をリリースしました。骨子は、今年度中に全国の27拠点を主要都市の7拠点に集約し、利用ニーズの高い大学入試センター試験模試を中止するというもの。

背景には、少子化による受験人口の減少、現役志向の高まりに伴う浪人生の減少があるとし、これまでの拡大路線を修正する縮小策を発表したのです。とはいえ、少子化は今に始まったわけではありません。事業縮小の核心は別の所にあるといえるでしょう。

もともと私立文系受験に強みを持つ代々木ゼミナールは、現役志向が高まる現状において不利に作用しました。そのうえ、インターネット光回線の普及による講義の動画配信が主流になる中、この取り組みが遅れたため、有名講師の流出に歯止めがかからなかったことが響いたようです。

福岡にあった2つの地元予備校で分かれた明暗

福岡に地元予備校が華やかし頃の興味深いエピソードがあります。地元予備校として知られる水城学園(運営は学校法人篠崎学園)と九州英数学館(運営は学校法人中村英数学園)です。

福岡市中央区舞鶴地区の多くの浪人生が集まる予備校通りは、飲食店、カラオケ店、パチンコ店などがひしめき、いつしか「親不孝通り」と呼ばれるようになりました。ちなみに、この不名誉な通りの名称は、水城学園が1998年閉校した後の2000年、現実に即していないとの理由で「親富孝通り」に改称しています。

その水城学園は1945年水城塾として開校。九州大学、福岡大学、西南学院大学などの合格率が高く、地元有数の知名度を誇っていました。少子化を見越して衛星授業を展開する東進ハイスクールと提携し、打開策を打ち出していたものの、1994年、近隣に競合の駿台予備学校が進出した影響を受け、1998年、ついに53年の歴史の幕を下ろしたのです。その後、学校法人高木学園の国際医療福祉大学福岡キャンパスとして利用されましたが、2013年4月、同校が福岡市早良区百道に移転したため、現在解体工事が行われ、名実共に水城学園の面影は無くなろうとしています。

九州英数学館の道のりも平坦ではありません。1951年開校し、大学受験予備校として水城学園と双璧であったものの、環境変化に抗えず、1999年、一般大学受験科を閉鎖しました。一方、併科の美大受験科は存続していましたが、現在は他学院に譲渡しています。

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