「ペットの親権問題」をめぐる法的解釈
JIJICO / 2014年9月14日 10時0分
「ペットの親権問題」をめぐる法的解釈
離婚後、ペットを飼っていく者を決めるのは財産分与の範疇
離婚することになった場合、婚姻中に飼っていたペットをどちらが引き取るかについて揉めてしまうことが多くあるようです。離婚時の「ペット紛争」について、夫婦間の未成年者の親権問題をもじって「ペットの親権問題」などと呼ばれたりしていますが、法的にはもちろん異なります。
離婚する夫婦間に未成年者がいる場合、離婚後は父か母の一方を単独親権者と決めるよう法律で規定しています。しかし、ペットは法律上、財産のひとつとして扱われています。よって、離婚後に引き続きペットを飼っていく者を決めるのは、親権問題ではなく財産分与の範疇となります。
財産分与は、要は「お金の問題」と思いがちですが、決めるにあたっては、さまざまな要素を考慮することになっています。例えば、自宅不動産の分与は、代金の支出状況の他、どちらかが居住を続ける必要性が高いかどうか、その上で一方が居住を続けるなら、居住を続けることと物件の価値を総合的に考慮して、他方に代償金を支払うことで財産分与問題を解決したりします。両方とも居住する意思がなかったり、ローンを支払いきれないという場合には、第三者に売却して現金で分与したりします。このように、単に経済的価値のみを考慮しているわけではありません。
ペットの問題は、財産分与とはいえ、親権の判断に類似した面も
ペットについても、財産分与の問題とはいえ、単なる財産価値だけに終始せず、何より生き物ですから、今後の住居環境や経済事情等を鑑みて、世話をし続けられない場合には、引き取りを主張しても現実的ではないということになるでしょう。もっとも揉めてしまうのは、双方ともにペットを飼い続けられる環境にある場合で、両者とも引き取りを希望しているなら、未成年者の親権さながらの紛争が繰り広げられるおそれがあります。
未成年者の親権は、離婚時までの監護をどちらが主に行ってきたか、今後どちらの監護下で暮らすのが未成年者にとって望ましいかということを、未成年者の意思も考慮しながら、慎重に考慮して判断していくことになります。ペットについても、両者が引き取りを希望している場合には、これまでの飼育状況や今後の飼育状況についても具体的に考慮した上で、判断していくようになっています。その意味で、ペットの問題は、財産分与とはいえ、親権の判断に類似した面もあるといえます。
引き取りを諦めた者も、話し合いで、離婚後もペットと「面会」する約束を取り付けたりといったことも十分考えられます。大切なペットにとって、できるだけ幸せな環境を守れるように、話し合いで解決できると良いでしょう。
(柳原 桑子/弁護士)
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