週休4日の「ゆるい就活」から「働く」本質を考える
JIJICO / 2014年9月17日 15時0分
週休4日の「ゆるい就活」から「働く」本質を考える
週休4日は「今」だけを見れば魅力的な数字かもしれない
「働く」ことに対して「週休4日」という言葉は何を表しているのでしょうか。「週休4日」これは「1週間で何日休みがあるのか」を示している条件です。「今」だけを見れば魅力的な数字かもしれません。時間を自分のものとして使えるのは実に魅力的です。
また、働くことを条件面で判断することは、働く人が時間の使い方を効率的に考えた結果でしょう。そのような考えの中で生まれた雇用関係は、時間の効率化の優先順位が高い個人と会社が結び付いた形となります。
「働く」とは、「お金を稼ぐため」?
さて、ここで「働く」本質がどこにあるのかを考えてみます。「働く」とは何か?を問いかけられた時、「お金を稼ぐため」と答える人が少なからずいます。間違いではありません。しかし、「働く」本質を見失うことにつながる可能性も高くなります。
「利益を出すことが最優先」「効率良く行うことを目的とする」。これらが習慣化され、長期間続くと、次のようなことが起こってきます。
■損得で価値を判断する
■利益が出ないのは悪だ
■効率が悪いのは駄目だ
そうなると、「お金の価値=生きるためのすべての価値」となります。そうなれば、「働くために生きているように感じて、楽しい充実した感覚がない」「自分の役割や貢献度合いが見えず、評価ばかり気になる」といったような心理状態に陥るのも無理がありません。休みや給与は大事なことですが、最優先に考えるべきことかどうかが問題です。
就活を始める前に、「働く」とは何かを考えてみる
では、「働く」とは何か。私たちは、働くために生きているのではなく、生きるために働いているのです。しかし、効率を追求する中で、いつしか働くために生きているように変わっていきます。「今している仕事が、社会でどのような役割を果たしているのか」「今働いている会社が、社会でどのような役に立っているのか」これらの点が大切であるのに、それがわからないまま、目の前のことしか見えなくなることも少なくありません。
人は共同体を作って生きています。地域であったり、社会であったり、国であったり、世界であったり。働くという行為で社会が循環し、価値が様々な人に還元されていくのです。週休4日。「働き」が生み出す共同体を豊かにする行動より、自分の時間が優先される社会。個々で分断された味気ない社会が創出されるのではないでしょうか。
大学生は、就活を始める前に、「働く」とは何か、「生きる」とは何かを考える時間を多く持ってみましょう。日本には「知恵」や「工夫」という素晴らしい言葉があります。「働く」本質がわかれば、この「知恵」や「工夫」が楽しくて仕方がない仕事や働きが生まれます。効率良く省くことではなく、知恵や工夫で創っていく感覚を味わうことが大切なのです。
(木村 文俊/大学生塾 理事長)
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