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障がい者の幸せな暮らしを地域で支えるには

JIJICO / 2014年9月19日 12時0分

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障がい者の幸せな暮らしを地域で支えるには

住み慣れた場所で暮らしたいというのは、誰もが抱く共通の願い

「自分が住み慣れた地域で幸せな生活を送りたい」。このような思いは、多くの人が抱くものではないでしょうか。もし、そうだとすれば、それは障がいを抱えた人にも顕在する共通の願いです。

では、障がいを抱えた人は、住み慣れた地域で幸せな生活を送るためには、どういった要素が必要になるのでしょうか。そのヒントは、「障がい」という言葉をどのように捉えているかにあります。障がいに対する一般的なイメージは「体が不自由」「知的に遅れがある」といったものでしょう。そして、障がい者が満足すべき生活を送れないとするならば、このような本人の能力が問題とみなされることもあります。しかし、果たして、それだけが要因でしょうか。

健常者にも障がい者にも「妨げ」はある

例えば、「年1回、旅行に出かけることが楽しみ」という健常者Aさんと、障がい者(車椅子利用)のBさんがいるとします。傍目から見ると、Aさんは「旅行に出かけたい」という思いを実現できて、Bさんは難しいと思われがちです。ところが、旅行に出かけることをゴールに設定した場合、「妨げ」となることは身体能力だけではありません。旅行に出かけるには、費用、電車の時刻表を理解する力、初めての場所でも物おじしない心構えなど、様々な要素が必要です。もし、Aさんがこれらの条件を満たしていなかったら、たとえ身体能力に問題がなくても、費用や時刻表を読み取れないといったことが「妨げ」となり、旅行に行くことは不可能でしょう。

一方、Bさんが、これら他の要素をすべてクリアしていれば、「妨げ」は車椅子による行動の不便さだけです。この「妨げ」は、「駅構内にエレベーターやスロープが設置されている」「電車の乗り降りの際は他者による介助がある」といった「環境」が整えば解消されます。

官民一体となって「妨げ」を取り除くことが何より大切

「障がい」という言葉を辞書で調べると「あることをするために妨げとなるものや状況」という説明があります。注意しなければならないのは、「妨げ」とは、必ずしも本人の心身能力だけに限定していないことです。体が健常であったとしても、本人の性格・知識力・判断力・経済力などが「妨げ」となり自分の望みが叶えられないこともあります。

見失っていけないのは「住み慣れた地域で幸せに生活したい」という思いです。その思いを実現する中での「妨げ」は、中身は違えど、健常者にも障がい者にも同じく存在する可能性があります。身体能力のみが「妨げ」となっているのであれば、「妨げ」を解消する環境さえ整えば、思いを実現することができます。障がい者が地域で幸せに生活するためには、官民一体となって「妨げ」を取り除くことが何より大切です。

(中原 崇/社会福祉士)

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