もはや他人事ではない「ハラスメント加害者」にならないために
JIJICO / 2014年9月27日 15時0分
![もはや他人事ではない「ハラスメント加害者」にならないために](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/jijico/jijico_12411_0-small.jpg)
もはや他人事ではない「ハラスメント加害者」にならないために
誰もがハラスメント加害者になる可能性がある
今年の5月30日、厚生労働省が2013年度の個別労働紛争の相談状況を発表。その資料によると、パワハラを示す「いじめ・嫌がらせ」の相談件数は前年比14.6%増の5万9197件に上り、10年前の約5倍に急増している実態が浮き彫りとなりました。
パワハラに限らず、セクハラなども含めたハラスメントに関するトラブルは身近なものとなっており、大企業に限らず中小企業でも社員研修やセミナーなどを通じて予防対策に力を入れ始めています。しかしながら、管理職向けのパワハラ研修などは比較的多く開催されていますが、一般社員向けというところまで浸透しているわけではなく、ハラスメントに関しての意識はまだまだ高くないのが現状です。
誰もがハラスメント加害者になる可能性があるということを踏まえて、どのような点に注意すべきかについて解説します。
「これまでの慣習だから」という自己中心的な価値観は捨てるべき
ハラスメントの加害者にならないためには、ハラスメントの基本的な定義や周辺知識を学んだ上で、自分の言動に責任を持つというのが基本です。ハラスメントは、「相手に不快感や脅威を感じさせる不適切な言動」のことをいいますが、これは「判断基準は受け手にある」ということに他なりません。相手がどう思うかということを常に考え、さらに言動の受け止め方は個人によって大きな差があるということを忘れないことです。
だからこそ、相手が嫌がる態度を示した際には、即座にその言動を控えなければなりません。具体的には、自分の家族がそのような言動を受けたときにどう考えるかを基準にして考えてみると良いでしょう。とにかく、この数年の間に環境が大きく変化したことを真摯に受け止めて「この程度なら大丈夫」「これまでの慣習だから」というような自己中心的な価値観はすぐに捨てることが大切です。
企業とともに加害者個人にも損害賠償支払い命令も
これだけ「ハラスメント」という言葉を聞く機会が多くなると、過剰に反応する人も出てきますが、このような人と接する際には要注意です。特に、上司と部下との人間関係がうまくいっていない場合、上司がちょっと叱っただけでもパワハラと騒がれてしまう可能性があります。パワハラ加害者と言われないようにするためには、「行き過ぎた指導をしない」「密室で叱責しない」「長時間にわたって指導を続けない」「大勢の前で見せしめのような叱責をしない」「暴言を吐かない」「無視しない」などには注意したいところです。ついつい感情的になってしまった結果として、パワハラ加害者になってしまうするケースも多いので、ちょっと一息ついて深呼吸するような余裕があると良いでしょう。
各種メディアでは、パワハラによって自殺に追い込まれた人の事件のことや、パワハラで上司が提訴された事例を取り上げる機会も以前に比べるとかなり増えました。先日もパワハラに関する訴訟で、企業とともに上司にも損害賠償支払い命令があったばかりで、もはや他人事ではなくなっています。
最後に「パワハラ」や「セクハラ」だけでなく、最近では「マタハラ」や「アルハラ」「モラハラ」「スメハラ」などについても話題にあがることが増えてきました。自分には無縁と思っていても意外と影で迷惑をかけていることもあるかもしれません。冷静になって、自分の一日の言動と周囲の人との関係性について、たまには振り返ってみるのも良いといえます。
(庄司 英尚/社会保険労務士)
この記事に関連するニュース
-
仕事を押しつけられた時「敵を作らず」かわすワザ 相手を責めず言いたいことはしっかり伝えよう
東洋経済オンライン / 2024年7月12日 18時30分
-
パワハラ上司「ほんと、役に立たねぇな」と恫喝…被害者〈月収50万円〉代理店勤務の42歳サラリーマン、ある朝の通勤で感じた異変
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月10日 7時15分
-
〈元エリート検事が準強制性交等の疑いで逮捕〉「なぜ5年も経ったこの時期に事件化した?」「セクハラ、パワハラは多い?」ヤメ検弁護士に訊いた“ここが変だよ検察庁”「悩みを相談できる機関が庁内に存在しなかった」
集英社オンライン / 2024年6月27日 16時31分
-
熱心な指導とパワハラの境界線が「正直分からない」と悩む上司へ
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年6月27日 8時25分
-
「長時間労働・先輩教諭から激しい叱責、指導」公務上災害に認定 教諭になって半年で自殺した男性の遺族が損害賠償求め提訴
RKB毎日放送 / 2024年6月18日 16時41分
ランキング
-
1申請を忘れると年金200万円の損…荻原博子「もらえるものはとことんもらう」ための賢者の知恵
プレジデントオンライン / 2024年7月17日 8時15分
-
2「再配達は有料に」 ドライバーの本音は
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月17日 6時40分
-
3大谷翔平の新居「晒すメディア」なぜ叩かれるのか スターや芸能人の個人情報への向き合い方の変遷
東洋経済オンライン / 2024年7月16日 20時40分
-
4「380円のデザートを10人で分けて…」“ラーメン屋でラーメンを頼まない”ヤバい客の実態を店主のプロレスラーが赤裸々証言
文春オンライン / 2024年7月17日 11時0分
-
5リーマンショックで〈全財産1,100万円〉をわずか1ヵ月で失った後、4年で復活を遂げた〈億トレーダー〉が徹底している「守りの資金管理」とは
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月17日 11時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)