負担増!「痛み」を求める日本の制度の行方
JIJICO / 2014年10月23日 15時0分
負担増!「痛み」を求める日本の制度の行方
後期高齢者医療制度の低所得者保険料軽減が廃止へ
厚生労働省は10月、75歳以上の人が加入する後期高齢者医療制度について、低所得者の保険料を軽減してきた特例を廃止する案を示しました。高齢者の健康保険は「後期高齢者医療制度」と呼ばれ、労働者層が加入する健康保険の制度とは別物です。日本では高齢者が増えてきたことに合わせ、75歳以上の人が加入する「別の医療保険」を作ったからです。
後期高齢者の自己負担額は、現在のところ1割です。この制度は国・都道府県・市町村からの財源と、働き手の保険料の一部(後期高齢者支援金)で補っています。このように高齢者のための制度も含め、さまざまな財源を通じて支え合っているのが日本の社会保険制度なのです。これからの日本の制度を維持するには、この財源をどうやって作り続けるかが課題となります。
来年に注目される「消費税」と「相続税」
財源確保の一環として来年に向け、大きく税制度が変わります。税金という名前で生活に身近なのは、来年の10月に予定される「消費税」の改定、来年の1月に予定される「相続税」の改定で、どちらも負担増が予測される税金です。
しかし、今年既に始まっている「住宅借入金等特別控除」は、購入した住宅の環境や性能に応じ、ローン残高に対する所得税の還付割合が高くなっています。また、「教育資金贈与」も、自分の孫の教育資金について、条件を満たせば1500万円まで税金がかからないような制度になっています。このように、負担ばかり強いるのではなく、優遇されるものもあるわけです。
国だけに頼らず、自分でできることを考える
このように、日本の社会保険制度を維持するため、広範囲の人に「痛み」を生じることになる状況は、これからも続くことでしょう。その中で、一般の人ができることは何かというと、ニュースや新聞に関心を持ち、時流に合わせて自分に何ができるのかを考えることです。
どうしても今のことに考えが集中してしまいますが、それを切り替え、未来に向けて「俯瞰する力」を持つようにしましょう。例えば、20年後の自分のために「今できることはなにか」「1か月以内にできることは何か」「半年以内にできることは何か」「1年以内ならばできることがある」など、未来を魅力的につくれるのは自分の力です。国だけに頼らず、自分でできることを考えてみてはいかがでしょうか。
(堀口 雅子/ファイナンシャルプランナー)
この記事に関連するニュース
-
日本の解き方 基礎年金の財源に厚生年金案、弱体石破政権で官僚が悪巧み 税と社会保険料の徴収を一元化する「歳入庁」設置が世界の常識だ
zakzak by夕刊フジ / 2024年11月21日 11時0分
-
はらわたが煮えくり返る思いだった…「保険料が高すぎる」とこぼした筆者に医師が言った"信じられない言葉"
プレジデントオンライン / 2024年11月20日 16時15分
-
石破政権「103万円の壁」撤廃も〝増税画策〟に警戒 手取り増と逆行、厚生年金106万円の壁撤廃へ 浮上〝財源論〟の裏に財務省の影
zakzak by夕刊フジ / 2024年11月10日 10時0分
-
75歳の医療費負担が3割になる!? 高齢社会対策大綱から見る家計運営の考え方。
ファイナンシャルフィールド / 2024年10月31日 22時20分
-
年金211万円を超えると注意!後期高齢者が負担する保険料はいくら?
オールアバウト / 2024年10月28日 20時30分
ランキング
-
1とんでもない通帳残高に妻、絶句。家族のために生きてきた65歳元会社員が老後破産まっしぐら…遅くに授かった「ひとり娘」溺愛の果て
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月21日 8時45分
-
2「合コンも仕事のつもりだった」20代で“年収1,000万”稼ぐ彼氏の苦しすぎる浮気の言い訳に唖然
日刊SPA! / 2024年11月21日 15時51分
-
3【GU】1290円の「冷たい風も防ぐ手袋」は、自転車に乗っていても手があったか! 水や汚れをはじく&スマホ操作もできる高機能グローブ
Fav-Log by ITmedia / 2024年11月22日 8時35分
-
4ファミマの「発熱・保温インナー」はヒートテックより優秀? コンビニマニアが比較してみた
Fav-Log by ITmedia / 2024年11月21日 19時55分
-
5ブラック工場勤務なのに総資産1億円! 大台を達成した30代に教えてもらった7つの“節約テク”
週刊女性PRIME / 2024年11月22日 9時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください