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「キャラ弁」禁止、教育上の妥当性

JIJICO / 2014年10月25日 15時0分

「キャラ弁」禁止、教育上の妥当性

「キャラ弁」禁止、教育上の妥当性

いじめの原因にも。微笑ましいはずの「キャラ弁」の現実

「キャラ弁」という言葉を知っていますか?キャラ弁とは、キャラクターの顔などを、ご飯やおかずを使って作るお弁当のことをいいます。そんなキャラ弁を「いじめの原因に成り得る」との理由で、禁止の措置をとる幼稚園や保育園が増えています。

一見、親が時間をかけて作ってくれたキャラ弁や華やかなお弁当は、親から子への愛情が詰まったプレゼントであり、教育的に良いことばかりのように思われます。しかし、実際は。キャラ弁をネタに一人の子が自慢しはじめると、子どもたちの間でお弁当の見せ合いがはじまり、キャラ弁ではない子が仲間はずれにされてしまうケースが出ています。また、少し形が崩れてしまったキャラ弁を持つ子は、キャラクターが本来あるべき姿と異なることをネタにからかわれたり、望んでいないアダ名を付けられてしまうこともあるようです。

単純に「お弁当すごいね!かわいいね!」という、微笑ましい雰囲気だけでは終わらないのがキャラ弁の現実なのかもしれません。

お弁当には教育の役目もあるため、禁止の措置もやむを得ない

お弁当は栄養摂取の役目に加え、「食育」という教育の面があると考えることができます。まず、栄養面の注意点は、栄養バランスです。キャラクターの完成度を高めようとしすぎて、結果的に炭水化物が多くなりすぎたり、野菜が極端に少なくなったりするキャラ弁は考えものでしょう。そのほか、キャラクターの完成度を求めるあまり、食材への接触回数が多くなったり、制作時間がかかってしまう場合には、衛生的な問題も意識する必要があります。

そして「食育」です。幼稚園や保育園のうちは、おいしく楽しく食事の時間をとれるように、子どもたち自身が見よう見まねで自然にマナーが身につく工夫が欠かせません。「食器や箸の使い方」「姿勢・食べ方」「あいさつ」など、マナーの押しつけにならないように身につけられるような環境整備が必要でしょう。この段階で、キャラ弁が環境にそぐわないのであれば、キャラ弁禁止の措置もやむを得ないかもしれません。

お弁当に簡単な工夫をするだけでも、子どもには気持ちが伝わる

最後に「心」について。食事は、体の栄養だけではなく、心の栄養を摂ることでもあります。お弁当に簡単な工夫をするだけでも、子どもには気持ちが伝わるもの。弁当作りを「今日のお弁当はどうだった?」と子どもの反応を確認しながら、子どもと一緒に弁当を作っていく。この姿勢が、子どもの心の栄養になっていくのではないでしょうか。

そうして、感謝の気持ちをきちんと伝えられる子の成長を見ることができたなら、朝の忙しい時間帯が楽しい時間帯に変わっていくのかもしれません。

(田中 正徳/塾講師)

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