「不満」は買ってでも知れ…ビジネス活用のメリット
JIJICO / 2014年11月12日 12時0分
「不満」は買ってでも知れ…ビジネス活用のメリット
「不満」には多くの「気づき」が隠れている
今、「不満買い取り」が注目を集めています。不満買い取りとは、(株)不満買取センターが提供している「『不満』を1個10円で買い取る」サービスです。買い取った「不満」を業種別などに分類し、企業に販売。不満の解消に貢献するという面白い仕組みです。
着目すべきは、買い取った不満を企業に販売するという点。なぜ、企業はわざわざ購入するのでしょうか?
実は、不満には多くの「気づき」が隠れているのです。その気づきを上手く活用することができれば、新規事業や商品・サービスの改善、販売力の強化などにつながります。
「あったらいいのに」がわかれば、新しいビジネスのきっかけに
まず、不満買取センターでは、不満の定義を「ある主体に対して、何かが不足している状態」としています。「不足している」ということは、「あったらいいのに」という顧客のニーズやウォンツが隠れている、ということでもあります。
顧客が抱えている問題を解決、または軽減することで対価を得るというのが、ビジネスのあるべき姿です。不満からニーズやウォンツを汲み取ることができれば、それを解決する商品やサービスを提供するだけで新しいビジネスが生まれます。
隠れているニーズやウォンツが何か?という視点で不満と向き合ってみましょう。
商品力の向上につながる可能性を秘めている
また、自社の商品やサービスの弱点を把握するというのは難しいものです。もし、弱点に気づいているのであれば、すでに改良するなどの対策を施し、常に自信を持って商品やサービスを提供しているはずだからです。「もっとこうしてほしい」という不満がわかれば、それを取り入れ改善することで、商品力を向上させることができます。
アンケートや「お客さまの声」ではなかなか上がってこない「不満」だからこそ、取り入れて改善することで、商品力の向上につながる可能性を秘めています。
不満を知れば、キャッチコピーやセールストークが変わる
そして、顧客は「自分が抱えている問題を、あなたの商品やサービスで解決できるということを知らない」ことが少なくありません。その原因は、商品のキャッチコピーやセールストークが、顧客の抱えている問題を捉えきれていないため、うまく伝わっていないことが考えられます。
不満から、「顧客が何に不足を感じているのか?」がわかれば、キャッチコピーやセールストークに「その不満(=不足感)」を取り除くことができる」ということを加えるだけで、顧客の関心度が上がり、購入率も高くなるでしょう。すでにある商品・サービスで解決できる不満はないか?キャッチコピーやセールストークに加えられる不満はないか?という視点で不満を活用するのも有効です。
普段はネガティブな存在として扱われる「不満」。しかし、少し視点をズラして向き合ってみると、多くの可能性を秘めている「価値ある存在」に変わります。身の回りにある不満を集めて、さまざまな角度から「不満」と向き合ってみませんか?
(伊藤 伸朗/集客・顧客情報活用コンサルタント)
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