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来たるべき「相続破産」を防ぐ節税法

JIJICO / 2014年11月17日 10時0分

来たるべき「相続破産」を防ぐ節税法

来たるべき「相続破産」を防ぐ節税法

相続税法改正で首都圏では3人に1人は相続税の課税対象者に?

相続税法が改正されます。平成27年1月1日より開始する相続については新しい相続税法が適用されます。何と言っても、改正のメインは基礎控除額の縮小でしょう。今まで「5,000万円+1,000万円×相続人の数」とされていた基礎控除が6割に縮小され、「3,000万円+600万円×相続人の数」となります。

これによって、従来100人中4人しかかからないと言われていた相続税が100人中6人~7人発生すると言われています。特に首都圏では3人に1人は相続税の課税対象者となるというデータもあり、そのことから「相続税は身近な税金になる」「課税対象者が倍増する」などと世間を騒がせています。

資産家は「相続が2回起これば財産がなくなる」?

しかし、本当に影響が大きいのは既に相続税の課税対象者だった人たちです。例えば、相続人が子ども3人で遺産総額が1億円の場合、増税の影響は20万円ですが、遺産総額が3億円の場合、増税の影響は960万円になります。相続税は遺産総額が多いほど高い税率が課される税金なので、遺産総額の多い人ほど増税の影響を受けるのです。

これまでも資産家の人は「相続が3回起これば財産がなくなる」と言われてきましたが、これからは2回で財産がなくなるかもしれません。

「相続破産」を防ぐ答えは「生前対策」にある

では、どうすれば良いのか、その答えは「生前対策」にあります。財産を、贈与や相続税が免税される資産へシフトするだけでも、相続税は想像以上に節税することが可能です。例えば、毎年1人につき110万円の非課税枠が認められている暦年贈与を活用すれば、節税しながら納税資金も確保できます。また、現金を生命保険金(500万円×相続人の数までは非課税)に振り替えれば、その分、相続税の課税財産は圧縮できます。

遺産総額が2億円未満で現預金が中心の相続の場合、これらの非課税制度の活用により相続税の発生はほとんどのケースで回避できるでしょう。

不動産の購入等「リスクをとらないリスク」の検討も

しかし、遺産総額が2億円以上で、不動産割合が高い場合などは、節税の難易度がぐグンと上がります。そこで考えられるのは課税が優遇される財産へのシフトです。例えば、タワーマンションのトップハウスの相続税評価は約2割です。1億円のトップハウスを購入すれば、その時点で“相続税の評価は”2,000万円となります。実際に取引されている価格と相続税評価には大きな開きがあるのです。これらの優遇資産へ資産構成を変えていくことで、相続税は大きく節税することができます。

もちろん、不動産の購入等は、時価の変動などリスクがあることは否定できません、しかし、相続税が遺産の数十%発生する世帯にとっては「リスクをとらないリスク」もあるのではないでしょうか?

(松岡 敏行/税理士)

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