がん予防も?七草の健康への効能
JIJICO / 2015年1月5日 13時0分
がん予防も?七草の健康への効能
古来より新年7日の朝に七草がゆを食べる習慣がある
年末から今日まで、胃腸を休ませた日はありますか?大晦日からお正月は、美味しい料理とお酒が目白押し。のべつ幕無し食べて飲んで胃腸はクタクタになっているはず。春の七草の薬効で、元気になりましょう。
古来より新年7日の朝に七草がゆを食べる習慣があります。七草を食べて一年の無病息災を願う、古くは平安時代から伝わる風習です。当時、野草ではなく、米・アワ・キビ・ヒエ・ミノゴメ・ゴマ・アズキの七穀を入れるのが通常だったようです。
この穀物が野草へ変わったのが鎌倉時代で、庶民に親しまれているセリ、ナズナ、ゴギョウ(ハハコグサ)、ハコベラ(ハコベ)、ホトケノザ(タビラコ)、スズナ(カブ)、スズシロ(ダイコン)という七草へ変化。それぞれの名前や形から縁起物として尊ばれていました。例えば、セリ・・・競り勝つ、ナズナ・・・なでて汚れをはらう、ゴギョウ・・・仏体、ハコベラ・・・繁栄がはびこる、ホトケノザ・・・仏の安座、スズナ・・・神様を呼ぶ鈴、スズシロ・・・汚れのない純白さ。
栄養のバランスを整える、古人の知恵が詰まった七草の効能
早春にいち早く芽吹く七草は、邪気をはらってくれる植物です。古くは、まな板の上で、草をトントン叩いて刻むその回数も決められていたといいます。日常の食生活に戻るひとつの区切りとなるほか、新年のごちそうで弱った胃をいたわり、栄養のバランスを整えるという古人の知恵が詰まっているのです。
【七草の効能】
■健胃効果、食欲増進:セリ・ナズナ・スズナ・スズシロ・ホトケノザ
■利尿作用:セリ・ナズナ・ハコベラ
■心のリラックス効果:スズナ
■風邪の諸症状:
(解熱)セリ・ナズナ・ホトケノザ、(咳止め)ゴギョウ・スズシロ
■二日酔い:セリ・ナズナ
■ビタミン・ミネラル:
(ビタミンA)セリ・ナズナ、(ビタミンB)セリ、(ビタミンC)セリ・スズナ・スズシロ、(鉄分)スズナ、(カルシウム)セリ・スズナ・スズシロ、(カロチン)スズシロ
春の七草には、抗がん作用の高いアブラナ科の植物が3種類も
現代栄養学の観点から見ても、七草には大変興味深い点があります。青菜の少ない冬から早春にかけて、ビタミンやミネラルの貴重な摂取源となる野草で、胃腸を整え、体を温め、粘膜を強化する効能にも優れています。
また、アブラナ科の野菜は、抗がん作用の高いことで知られていますが、春の七草には「なずな・すずな・すずしろ」という3種類のアブラナ科の植物が入っています。がん予防も期待できる野草を食べて、今年も元気に過ごしたいものです。
(松原 一彦/漢方薬・生薬認定薬剤師)
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