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家計管理のプロが注目「税制改正」のポイント

JIJICO / 2015年1月6日 11時0分

家計管理のプロが注目「税制改正」のポイント

家計管理のプロが注目「税制改正」のポイント

結婚・出産・育児資金の一括贈与、非課税に

昨年12月30日、与党から税制改正大綱が発表されました。今回は、生活で活用したい制度改正をピックアップして解説します。

まず、注目したいのが「結婚・出産・育児資金の一括贈与」です。「父母・祖父母」から「20歳以上49歳までの子、孫」に対して、「結婚・出産・育児」の資金として一括贈与する場合、最高1,000万円まで非課税となります(うち、結婚資金は300万円まで)。

結婚資金は「結婚式の費用や新居への転居費用」、出産資金は「不妊治療、出産分娩費用」、育児費用は「保育料、就学までの医療費用」が想定されます。「資金がなくて結婚できない」「出産・育児に不安がある」という経済的な壁を低くするために、父母・祖父母が積極的に援助してもらうことで、少子化に歯止めをかけることを目的としているようです。2019年3月までの時限措置となっています。

ふるさと納税、拡充へ。所得税の確定申告の手続きは簡素に

2013年の秋頃からブームになり、すっかり定着した「ふるさと納税」。応援したい都道府県・市町村(居住地を除く)に寄付をすると、所得税・住民税の各控除により、実質自己負担が2,000円となる制度。地域によっては農産品や工芸品等の特産品をもらうことができます。ただし、実質自己負担2,000円となる寄附金の金額は、住民税(所得割額)の1割が限度でしたが、2016年度の個人住民税から2割に拡充されます。簡潔に言えば、従来の2倍の金額までふるさと納税を楽しむことができます。

また、給与所得者が2015年4月1日以降、年間(1月から12月)5つ以下の都道府県、市町村に対して寄付をする場合、所得税の確定申告が不要になります。「確定申告の仕方がわからない、面倒」という人も、取り組みやすくなるでしょう(給与所得者が6つ以上の自治体に寄付した場合は申告が必要。自営業者は1つの寄付でも申告が必要です)。

老後の備えに有効。個人型確定拠出年金、対象拡大

これまで、サラリーマン家庭の専業主婦等(国民年金第3号被保険者)や公務員は確定拠出年金に加入できませんでしたが、年間14.4万円まで掛金を支払って、老後資金を準備できるようになります。さらに、企業型確定拠出年金に加入する人も個人型確定拠出年金にも加入できるようになります。

掛金は所得税・住民税の控除の対象となり、運用益は非課税。老後に受け取る場合も税制優遇があるなど、老後資金を準備したい人は、後述するNISAとともに活用を検討したい制度です(実施時期は未定)。

NISA、120万円に拡大。ジュニアNISAが新設

上場株式や公募株式投資信託等に投資して得られた配当金(分配金)、売却益が非課税となるNISA(少額投資非課税制度)。現在の年間投資額は最高100万円ですが、2016年から120万円に拡大されます。

また、将来の子ども、孫等の人生のために、父母や祖父母等が未成年者の子、孫等のためにNISA口座を活用できるようになります(ジュニアNISA)。年間投資額は最高80万円。「結婚・出産・育児」の資金を一括の贈与ではなく、コツコツと準備していく場合に活用したい制度といえそうです。

円安の影響により食料品等の値上げが多く、家計負担は決して軽くはありませんが、「できることから始める」ことで、将来に備えましょう。「税を知り、税と上手に付き合う」こともそのひとつです。興味を持ったテーマだけでも実践してみると良いでしょう。

(益山 真一/ファイナンシャルプランナー)

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