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給料が上がらなくても「ゆとり」を生む家計術

JIJICO / 2015年1月17日 15時0分

給料が上がらなくても「ゆとり」を生む家計術

給料が上がらなくても「ゆとり」を生む家計術

現在の暮らしに「ゆとりがなくなってきた」は半数以上

先日の衆院選のあと、安倍首相はアベノミクスをさらに推進させるために、経済界に賃上げを要求しました。しかしながら、私たちが収入アップを実感するまでには、まだもう少し時間がかかりそうです。

年末に日本銀行が発表した「生活意識に関するアンケート調査(第60回)」では、現在の暮らし向きに「ゆとりがなくなってきた」と答えた方が半数以上という結果となり、いまだ家計は厳しい状況であることを示唆しています。

では、給与が上がらない中、「ゆとり」を生み、お金が貯まる家計をつくるためには何をすれば良いのでしょう?

赤字の垂れ流しは致命的。「収入」と「支出」の確認を

まず、家計の原理を知りましょう。家計を構成するものは、「収入」「支出」「貯蓄」の3要素です。このうち「収入」が「支出」を下回ると、家計は赤字となり、とても貯蓄はできません。つまり、ゆとりある家計のためには、支出は収入を上回ってはいけないのです。いわば、当たり前のこと。でも、この当たり前のことが意外にできていない家計もあります。

例えば、サラリーマン家庭で、給与は振り込み、家計の主な支出は銀行口座からの引き去りというところも多いかと思いますが、給与明細をしっかりと見ていますか?額面でいくら、税金などの天引きはいくら、手取りでいくらかなどを把握していますか?もし、それらの金額を見ることなくお金を使っていれば、知らず知らずに支出が収入を上回っていても気がつかないでいる場合が意外とあるのです。

赤字の垂れ流しは致命的です。心当たりのある人は、とりあえずこれからの1か月間、支出の明細を書き出してみましょう。レシートを取っておくだけでも効果があります。買い物のあとに必ず振り返り、その支出が家計にとって本当に必要だったのかどうかを考えてみましょう。また、しばらく通帳記入もしていないという人は、まず銀行のATMに向かってください。通帳の入出金を見れば、入金された給与額と支出のバランスがすぐにわかるはずです。過去1年くらいを振り返り、収支がどうだったのか確認しましょう。

家計の習慣を「収入」-「貯蓄」=「支出」に

収支の把握ができたら、毎月の貯蓄目標額を決めましょう。月々1万円でも問題ありません。まずは、コツコツとお金を貯める習慣を身につけましょう。これは生活にゆとりをつくるためには非常に大切なステップです。なぜかというと、多くの家計は、「収入」-「支出」で、もしお金が残ったら「貯蓄」をしようと漠然と思っているのですが、これではなかなかお金は「残らない」のです。

ゆとりを生む家計にするには、この家計の習慣を「収入」-「貯蓄」=「支出」にする必要があります。お金を使う前に貯蓄をし、残ったお金でやりくりをする方法です。この貯蓄を確実に実行するには、会社の財形制度を活用したり、銀行の積立預金や確定拠出年金などの「お金が貯まる仕組み」を活用することが有効です。

「貯蓄」×「運用利回り」で、お金の成長率が上がる

さらに次のステップは、「貯蓄」×「運用利回り」を得る方法です。毎月の貯蓄額のうち一部で投資信託を購入できるようになると、少しずつお金の成長率が上がっていきます。

経済環境の好転を実感するにはなかなか至りませんが、家計のゆとりは工夫次第で生み出すことは可能です。今一度家計を点検し、ゆとりを生む「仕組み」を考えてみてはいかがでしょうか?

(山中 伸枝/ファイナンシャルプランナー)

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