死角なし「相撲健康体操」で運動不足を解消
JIJICO / 2015年2月28日 14時0分
死角なし「相撲健康体操」で運動不足を解消
日本の国技である相撲をヒントに健康体操が完成
日本の国技である相撲は、弥生時代から続くとされる歴史があり、現在、世界中で「sumo(スモウ)=相撲」として愛されています。
そんな相撲の基本動作からなる健康体操が完成したそうです。
日本相撲協会は「近年、私たちは昔からの生活様式が変化してきたことにより、歩く機会が少なくなりました。 それらのことが要因で足腰の弱化を招き、健康にさまざまな影響をもたらすことになりました」と警鐘を鳴らしています。
伝統の中で育まれた相撲の稽古には高度な工夫がされている
人類は厳しい大自然の中で大地を踏みしめ、ねばり強く生き延び、長い時間をかけて「直立二足歩行」という他の生き物には見られない姿勢を獲得しました。同時にそれは、直立という不安定な姿勢を保つための苦労を背負うことでもありました。神経の通り道でもある背骨の安定は、神経の働きはもとより体の運営にはとても大切なことで、その背骨の土台の役割をする足腰の筋肉を強く鍛えることは、健康にとても良い影響を与えます。
さて、日本の伝統の中で育まれた相撲の稽古には、四股、鉄砲、すり足など代表的な基本動作があります。それらは、力士の能力を最大限に効率よく引き出すために重心を下腹部(臍下丹田)に導き、体の中心軸である背骨を強く安定させるために独特で高度な工夫がされています。
運動不足の現代人にとって必要な要素が散りばめられている
腰を落とした姿勢での基本動作は、体幹の安定、強化につながります。肩甲骨から腕を大きく回すことによって、五十肩の予防にもなります。蹲踞(そんきょ)の姿勢を保つだけでも、股関節の柔軟性向上、正中軸を保ちながら足指で体を支えることでバランス力を養うこともできます。
それに加え、手や足といった受容器にも刺激を与え、すり足では足裏の感覚を養い転倒予防に。また、神経系が刺激され、消化などの内臓機能促進にもつながります。さらに、声を出すことによって呼吸も自然に取り入れらら、横隔膜などの呼吸筋の強化を実現。四股の動作では普段使われにくい内転筋、骨盤底筋を含む足腰を鍛えることができ、腰を割る姿勢は股関節周りの筋緊張を緩和し、血流が促され冷え性の改善、女性の生理痛にも効果が期待できます。
現代の便利すぎる環境ゆえ、相撲健康体操には運動不足になりやすい、現代人にとって必要な要素が散りばめられています。まさに、死角がないエクササイズだといえるのではないでしょうか。
(伊藤 勇矢/柔道整復師)
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