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認知症リスクも。家庭内介護における注意点

JIJICO / 2015年6月12日 20時0分

認知症リスクも。家庭内介護における注意点

認知症リスクも。家庭内介護における注意点

外からの刺激がなくなり、認知症リスクが高まる可能性

自分の親に介護が必要になったとき、どのような方法を選択しますか?「これまで親に何もしてあげられなかったから」「とにかく親の世話をしたいから」といった思いで「家族介護」を選ぶ人もいるでしょう。家族介護と施設介護、それぞれにメリットとデメリットがありますが、今回は、家族介護の際に、注意しなければならない点を紹介します。

一つ目は、本人に対する「刺激」の問題です。家族による手厚い介護は、互いに家族の絆を感じられる貴重な時間かもしれません。介護される本人にとっても、残り少ない時間を家族と過ごすことは価値ある過ごし方といえるでしょう。しかし、家族による手厚い介護に偏り過ぎると、外からの刺激がなくなり、認知症のリスクが高まる可能性があります。

介護の目的は、本人が自分らしい生活を送るためのサポートです。家庭内という特定の空間のみで介護をすることは、本人に対しての刺激が減り、結果として認知症などのマイナスの要素を引き起こすこともありえます。

介護する側がストレスを抱え込み、互いに苦悩する悪循環も

二つ目は、介護者が限られると、家族に過度のストレスがかかることです。介護は見通しが立ちにくいものです。いつまで続くのか、改善される見込みがあるのかなど、先行きが見えない状況は家族に不安をもたらすことがあります。

また、誰かの見守りが常に必要な状況では、家族自身の行動範囲も制限しかねません。その結果、家族がストレスを抱え込み、互いに苦悩をしてしまうという悪循環に陥ることもあります。

不安要素を取り除くには、適度な外部との関わりが必要

これらの不安要素を取り除くには、適度な外部との関わりが必要です。本人と外出をしたり、来客を招くなど、外部との接触を意識的に取り入れるようにしましょう。場合によっては、公的サービスの活用も必要でしょう。そういった意味では介護保険サービスは代表的な有効な手段です。

例えば、デイサービスを活用すると、外部との刺激になるだけでなく、家族にとっては日中に自分の時間を確保できることにつながります。外出が困難な人は、ホームヘルプサービスを活用すれば、家族以外の人との接点や家族自身の介護疲れの軽減になるでしょう。さらに月に1回程度、ショートステイサービスを使えば、まとまった時間を家族が持つこともできます。

家族による手厚い介護は大切ですが、家族だけで過度に接するとマイナス要素が発生してしまうことがあるので、注意が必要です。

(中原 崇/社会福祉士)

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