うつ病自殺従業員、決定覆り異例の労災認定
JIJICO / 2015年7月3日 13時0分
うつ病自殺従業員、決定覆り異例の労災認定
労働基準監督署の決定が覆る
先日、2012年7月に自殺した自動車販売会社「スズキ自販北陸」の社員男性(当時24)について、厚生労働省の労働保険審査会は「長時間労働などによるうつ病が原因」として、労災と認めなかった福井労働基準監督署の決定を取り消し、労災認定しました。労働基準監督署の決定が覆るのは異例のことですが、その原因として、現在の精神障害の労災認定要件を満たしたことが挙げられます。
現在、労災認定のための要件は次の通りです。
1) 認定基準の対象となる精神障害を発病していること
2)認定基準の対象となる精神障害の発病前おおむね6カ月の間に、業務による強い心理的負荷が認められること
3)業務以外の心理的負荷や個体側要因により発病したとは認められない事
自殺に追いやられた原因は長時間労働
裁決では「自殺に追いやった原因は長時間労働」と判断されており、この男性の自殺直前の3カ月は月100時間以上の時間外労働が確認されています。これは、前項「2)業務による強い心理的負荷が認められたこと」となります。
現在、発病直前の3カ月間連続で1月あたりおおむね100時間以上の時間外労働を行った場合や、2カ月間連続しておおむね120時間以上の時間外労働を行った場合は心理的負荷が強いと判断され、労災認定となります。また、労働時間が月間260時間から300時間程度となり、この状況が2、3カ月続き、発病した場合も労災として認定されます。
どの企業も他人事ではない
実際、長時間労働せざるを得ない企業は少なくないはずで、どの企業も他人事ではありません。また、多くの人が集まる企業では、人間関係の中で何らかの問題があっても当然といえば当然で、多くの企業が今回のような事件の当事者になる可能性をはらんでいます。企業は労務管理を徹底し、悲しい結末を起こさないよう、充分に配慮をする必要があります。
(大東 恵子/社会保険労務士)
この記事に関連するニュース
-
炎天下の作業「特筆すべき負荷ない」 労災認定の請求棄却 大阪地裁
毎日新聞 / 2024年11月21日 17時1分
-
真夏の炎天下で屋外作業、くも膜下出血発症し死亡…大阪地裁は労災認めず
読売新聞 / 2024年11月21日 13時44分
-
「会社員の12人に1人がうつ病経験者?!原因は人間関係が最多」うつ病に関する最新状況をリサーチ【2024年版】
PR TIMES / 2024年11月18日 12時15分
-
「ハラスメントによる精神障害について労災認定される基準」新日本法規WEBサイト法令記事を2024年11月8日に公開!
@Press / 2024年11月13日 14時30分
-
嫌味三昧な上司に限界!飲み会での暴言を録音、詰め寄ると→「覚えていない」と逆ギレ…我慢するしかない?【社労士が解説】
まいどなニュース / 2024年11月6日 6時40分
ランキング
-
1春日部のイトーヨーカドーが閉店=「しんちゃん」のスーパーのモデル
時事通信 / 2024年11月24日 19時58分
-
2「バナナカレー」だと…? LCCピーチ、5年ぶりに「温かい機内食」提供…メニューは? 「ピーチ機内食の代名詞」も復活
乗りものニュース / 2024年11月24日 12時32分
-
3「ワークマン 着るコタツ」新モデルが登場 累計43万着を突破、人気の秘密は?
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年11月22日 11時24分
-
4年収壁見直し、企業の9割賛成 撤廃や社保改革要請も
共同通信 / 2024年11月24日 16時22分
-
5異例の「ケーブル盗難でリフト運休」 スキーシーズン前に 捜査は継続中
乗りものニュース / 2024年11月24日 14時12分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください