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地域への思いを育てるキャリア教育で、地元に貢献できる「金の卵」を

JIJICO / 2015年9月6日 10時0分

地域への思いを育てるキャリア教育で、地元に貢献できる「金の卵」を

地域への思いを育てるキャリア教育で、地元に貢献できる「金の卵」を

経済省が地域の企業と学校現場を結び付けるャリア教育を推進

この10年ほどの間に、経済産業省をはじめ、厚生労働省、文部科学省の3省が連携して、小学生から高校生へのキャリア教育を充実させることを目指してきました。その取り組みに関しては、各省から報告書が公表されています。

中でも特に経産省は、当然のことと言えるでしょうが、地域の企業と学校現場を結び付ける形でのキャリア教育を推進しています。これは、生徒たちが今まさに社会を支えて地域で働いている人たちから直接に話を聞き、生の職場を見られるようにした「職場体験型学習」のことです。そのような国の働きかけのためか、ここ数年、従来の職場体験学習をさらに「体系的・効果的」に進化させた取り組み事例が、全国の高校から数多く報告されています。

兵庫県たつの市と兵庫県立龍野北高等学校の取り組み

たとえば兵庫県立龍野北高等学校では、総合デザイン科の生徒たちが、たつの市の主要産業である皮革を活用して衣服をデザインし、ファッションショーを企画しました。また、同じ高校の環境建設工学科では、まちの伝統的建造物を修復する作業を通じて、地域住民たちと交流を深めています。もちろんこのような活動を支えるのは地元企業や専門家であり、地域住民の方々の温かい支援の目であることは言うまでもありません。

このように、長期間にわたるプロジェクトとしての地域貢献を体験することで、生徒たちが地場産業や地域の歴史と現状を知り、そこに誇りをもつことが期待されています。高校卒業後すぐに就職する場合も、他府県の大学などへ進学してその後に就職する場合も、彼らが地元で就職し、そこを活性化させる次世代の担い手になってくれることを、企業も住民も願っているのです。

自分の暮らす地域に対して意識が高い高校生は「金の卵」

ところで厚労省の調査結果によると、高校新卒で就職した人の半数ほどが3年以内に離職しています。業界によっては1年目で3割が離職していることもあります。高校生が進路として就職を選ぶときは、学校から紹介される企業の中から、ひとりが1社だけに応募することが原則であり、求人を出した企業側も書類選考で振り落とすことはせず、必ずその生徒と面接をします。

しかし、生徒の方はまだ、その会社や仕事について十分に理解できていないこともあります。その様子を企業側はよく見定めて、採用するかどうかを決定しなければなりません。せっかく採用した人に1年で辞めていかれては、企業にとっても損失が大きいのです。

それゆえ、部分的であってもすでに地場産業について知識があり、自分の暮らす地域に対して意識が高い高校生であれば、これは正に「金の卵」と言うべき人材です。もっと学びたい、貢献したいという気持ちで働き始める人は、1年や3年で辞めることなく、会社にとっても本人にとっても幸せな就職となるでしょう。学校としてあまり大きな取り組みができない場合でも、授業で可能な限り、すべての高校生が地域社会に関心をもち、その発展に貢献したいと思えるような学びを取り入れることが望まれます。

(安藤 ゆかり/研修講師・キャリアコンサルタント)

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