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ユニクロが週休3日制を導入、人材確保・人材定着の切り札となるか

JIJICO / 2015年9月5日 18時0分

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ユニクロが週休3日制を導入、人材確保・人材定着の切り札となるか

ユニクロが週休3日制導入へ

大手国内衣料品店「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングは、一部の希望する労働者を対象として週休3日制を導入することにしたようです。その概略は、業務が繁忙な土日を含めた週4日を労働日とし、1日の労働時間を10時間とするものですが、1週間のトータル労働時間は週5日働く場合と同じになるため、週休3日制を選択しても給与水準は維持されるとのことです。この点が以前からある時短勤務などとは異なり、各方面から注目されています。

週休3日制を導入する狙いとは

週休3日制を導入する狙いとしては、次のようなものが考えられます。第一は、人材の確保です。少子高齢化によって日本の労働力人口は年々減少しており、数年前の就職氷河期のような買い手市場は、もはや遠い昔となっています。労働者が働きやすい環境を整備することは人材の確保に欠かせません。働く側の意識も多様化しているので、働き方の選択肢が多い企業というのはとても魅力的です。

また、人材定着の観点からも、多様な働き方を認める姿勢は今後ますます重要になってきます。今まで家庭の事情や育児・介護で退職せざるを得なかった従業員にも、働き方によっては継続して働いてもらえる可能性が高まります。

次に、従業員に仕事外の時間を充実させてもらうことで、仕事へのモチベーションアップや、新たな視点の発掘、自己啓発による知識・スキルの向上など、仕事へのプラスのフィードバック効果が期待されます。またプライベートが充実することにより、長時間労働による過労や仕事が原因のうつ病などを防ぎ、従業員の健康やメンタルヘルス向上につながる可能性もあります。

公平な評価やタスク管理など効果が出るかは運用次第

週休3日制を導入することで先に述べたような効果を上げるためには、どういった点が重要となってくるでしょうか。まず、週休3日制を希望した従業員とそうでない従業員を公平に評価することです。仕事をきちんと評価することが徹底されていなければ、異なる労働時間制度で働く従業員間で不平や不信感が生まれるからです。

そして、制度が維持できるように従業員に対するタスク管理を行うことも重要です。週休3日になったけれど仕事が膨大で出勤日の残業時間が激増し、「週5日勤務の従業員にそのしわ寄せが来てしまった」というようなことになると、期待した効果が現れるはずもありません。

多様な働き方を認めていく企業風土づくりも大切

また、従業員への社員教育も欠かすことはできないでしょう。週休3日制のような、これまでにあまりなかった新しい働き方を導入するにあたっては、管理職だけでなくすべての社員がその趣旨を理解する必要があります。企業として「多様な働き方を認めていく」という理念と目的をしっかりと従業員へ浸透させ、全社を挙げて制度を運用していけるような企業風土を作り上げていくことも大切です。

万一、せっかく導入した週休3日制の効果が上がらなければ、企業として逆にマイナスイメージとなってしまいます。導入するにあたっては慎重な計画と制度設計が必要でしょう。ユニクロの、週休3日制の今後に注目していきたいと思います。

(大竹 光明/社会保険労務士)

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