男女平等格差は先進国の中でも最低水準!女性活用が必要な理由
JIJICO / 2015年11月30日 18時0分
男女平等格差は先進国の中でも最低水準!女性活用が必要な理由
日本の男女格差は世界145カ国101位
世界経済フォーラムの最新の報告によると、日本のジェンダーギャップ(男女格差)の順位は世界145カ国中101位となりました。前年の105位から1つランクを上げたものの、低い順位を維持しているのが現状です。近年は女性の活躍に焦点が当たり、女性活用推進法が制定されている日本の順位ですが、一向に上がらないのはなぜでしょうか。今回は、その理由と男女格差の解消のヒントをお伝えします。
男女格差とは4分野の項目において男女平等の度合いを指標化して順位を出したものです。
4分野「政治への参加」「職場への進出」「教育」「健康度合い」の中で、日本の順位が特に低いのは、「政治への参加」「職場への進出」で、それぞれ104位、106位となっています。政治の分野では女性議員、女性閣僚の割合が低いことが顕著で、職場への進出の分野では管理職の割合の低さが上げられます。
女性管理職を30%とする目標は実現可能か?
2014年のデータによると、日本の議員の女性比率は9.5%、北欧のスウェーデン、フィンランド、ノルウェーは40%以上です。女性閣僚比率ではニカラグア、スウェーデン、フィンランドが50%以上という高い水準を誇っています。海外では、ある割合以上の女性議員の立候補の義務付けや、一定数を女性議員に割り当てる「クオータ制」などにより、女性議員の割合を増やしている事例もあります。日本でそのような取り組みが進まない背景には、従来から「政治には女性は口出しすべきではない」という風潮や、育児や家庭との両立が難しい労働環境によって、女性活用の土台が進んでいないことが考えられます。
安倍政権は2020年に女性管理職の割合を30%以上にする目標を掲げていますが、厚生労働省の賃金構造基本統計調査(2014年)によると、企業の課長級以上の女性比率は8.3%です。果たして、実現できるのでしょうか。
働く女性の考え方などにも問題は残る
実際、女性管理職に登用された後、経験不足による自信喪失や家庭との両立の難しさから、退職や降格を願い出る女性のケースも少なくありません。若手の時から責任ある仕事を任せて経験を積ませること、育児や介護との両立を想定した制度の導入などの必要性がさけばれています。これを「女性活用」と捉えるのではなく、「経営戦略」の一つとして女性管理職登用を考え、運用していくことが重要となるでしょう。
なぜなら、年齢や性別にかかわらず若手の時から責任ある仕事を任せること、性別にかかわらず誰もが家庭と両立できる環境を整えておくことによって、従業員のモチベーションが上がり、生産性の向上や退職者の低下につながる効果が期待されるからです。女性に多いと言われる「インポスター症候群」をご存知でしょうか。女性は自分の自己評価が低い傾向にあり、成功しても「周りのおかげだった」「自分の力ではない」と考え、経験を積んでいても「自分のキャリアは偽物だ」と自信をなくしてしまうと言われています。
その考え方が、責任あるポジションへの挑戦や、新しいキャリア開発のチャンスを逃し、男性に明け渡している可能性もあるのです。定期的にキャリアを振り返り、自己肯定感を高めることと、自分でチャンスをつかんだと認識し、そのチャンスをものにするポジティブさが必要となるでしょう。
(島谷 美奈子/キャリアカウンセラー)
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