「さかなクン」を育てた好奇心に応じて伸ばす育児法
JIJICO / 2015年12月29日 18時0分
「さかなクン」を育てた好奇心に応じて伸ばす育児法
我が子の自由を保障する育児方法
先日、全国ネットのテレビ放送にて、魚類学者でタレントとしても活躍するさかなクンの母親の育児方法が、世間に大きな反響を与えました。それは、学校の成績を上げることよりも、我が子の好きなことへの自由を保障することを尊重した育児方法です。昔はどの家庭でも学校での学習が全てだと思い込み、家庭でも学習机に向ったら教科書や参考書などを開いて勉強していましたし、それが日本に根付いている学習スタイルでした。
ところが、さかなクンの母親は教科書よりも幼少期のさかなクン自身から湧き出る好奇心に応えていくという育児を実践していたそうです。その成果が実ったことは現在の活躍ぶりからもうかがい知ることができ、幼いさかなクンが抱いていた東京海洋大学の准教授という夢にも、31歳という若さで就任しています。
古来より日本に伝わる諺が育児のヒントになる
まだ幼稚園へ就園する前の子どもについて考えてみましょう。絵を描くことが好きな子どもは、早くからクレヨンと紙があればずっと遊んでいます。体を動かすことが好きな子どもは、公園へ行けばずっと機嫌よく遊んでいます。音楽が好きな子どもは音楽が聞こえるだけでぴたりと泣き止み、笑顔を浮かべたり体を動かしたりします。
このように人は生まれながらにして好みのものがさまざまで、それをやり続ければ続けるほど上達していくのです。絵が好きな子どもは毎日のように絵を描いているかもしれませんが、そうでない子どもは同じ年齢であってもクレヨンを手にしたことがないかもしれません。そうなると毎日描いている子どもの方が、絵が上手なのは当然のことです。
「好きこそものの上手なれ」と私たちの祖先は表現していますが、まさにさかなクンに言えることでしょう。そして自分の知識や実力がどんどんレベルアップすることで、自分に対して自分で信頼置く、つまり自信を持って生きることができるようになるのです。
誰が学び手なのかを考えた育児がさかなクンの母の育児
そうはいっても、親としてはどうしても学校の成績が気になってしまいます。それは、我が子の成長に真剣に向き合い続けているからこその悩みだと思います。さかなクンの場合、学校の勉強に直接関係のない学びを熱心にしていて、いつでも自学していました。そして、自学できるような環境を母親が整えていました。さかなクンは学びの環境があったから学んだのではなく、学びたいから学んだのです
実は、大好きなことを学んでいると学習は苦痛ではなくなります。大好きなことのために必要な学びであれば誰でも自発的に学んでいくものなのです。さかなクンの場合、魚図鑑を見ていた時に読めない熟語に当たってしまったら、それを機に熟語を覚えたかもしれません。そのような積み重ねが、学力につながっていった可能性もあります。
子どもの学びを支えるためには、まずは子どもが安心して学ぶことができる環境を整えてみましょう。そうすることで学習に対しての抵抗がなくなっていきます。それどころか、楽しくて自発的かつ積極的に勉強する姿勢も身に付く可能性があります。安心できる学習環境を整えるには、まずは子どもの好奇心を認めて肯定的に捉える親の姿勢が大切だということを、さかなクンの母親は私たちに教えてくれたのかもしれません。
(鈴木 あづみ/個別療育・児童発達支援管理責任者)
この記事に関連するニュース
-
【教育業界初!】「月刊ポピー」が日本マザーズ協会推奨教材に認定
PR TIMES / 2024年7月15日 2時40分
-
読み放題型電子図書館『Yomokka!(よもっか!)』山梨県山梨市で一括採用~市内の小・中学校全11校に導入、約2,200人の児童生徒が利用を開始/教育長からのコメントも紹介
PR TIMES / 2024年7月12日 18時15分
-
「偏差値75」なんて海外では通用しない…「学校の成績がすべて」と刷り込む日本の教育の"呪縛"
プレジデントオンライン / 2024年7月4日 10時15分
-
子どもたちの“得意”を伸ばす学び・体づくりを行う未来の学びの場 オルタナティブスクールのプロジェクトを再始動
@Press / 2024年6月26日 9時30分
-
県が仮想空間メタバースで不登校に“学びの場”を(静岡)
Daiichi-TV(静岡第一テレビ) / 2024年6月21日 18時36分
ランキング
-
1ゆれる兵庫県庁 「解明が務め」と百条委、「自分も処分?」と疑心暗鬼になる職員も
産経ニュース / 2024年7月19日 20時1分
-
2コロナ「第11波」、変異株KP・3が主流 流行期入りで夏に感染拡大か
産経ニュース / 2024年7月19日 21時4分
-
3<独自>事務所資金から香典か 堀井学衆院議員の配布疑い 裏金が原資の可能性も
産経ニュース / 2024年7月19日 18時16分
-
4蓮舫氏は「都知事選で惨敗した人」で終わるのか…二重国籍問題以上に致命的な"政治家としての最大の欠点"
プレジデントオンライン / 2024年7月20日 9時15分
-
5愛知・犬山市で死亡した7歳女児の全身に多数のあざ…一時保護時に「パンチされる」と訴え
読売新聞 / 2024年7月20日 5時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください