終活で一番の問題、お墓について考える
JIJICO / 2016年4月1日 10時0分
終活で一番の問題、お墓について考える
当たり前になった終活という言葉
終活と言う言葉を目にする機会が増えてきました。新聞の記事やテレビのワイドショーでも良く見るテーマの一つになったと言っていいと思います。
総務省の平成27年9月の推計によると、65歳以上の高齢者の人口は3384万人で総人口に占める割合は26.7%との事。つまり国民の4人に1人は高齢者ですので、この話題が出てくるのは自然の流れです。
まず終活で、高齢者が気になる事は、まずはご自分の健康の事だと思います。
友人などの病気の話を聞いて、健康に過ごしたいと、様々な情報を集めていらっしゃると思います。
ワイドショーでこの食品がXXX病に良く効くので、その食品を食べてみたり・・・本当に情報が多いです。また最近の健康寿命という考え方も、この流れを後押ししていると考えます。
次に、孫や子供の成長のサポートを行う事が多くなってくるのではないでしょうか?孫の顔を見る、一緒にご飯を食べるのが、何よりも楽しみと言う方も多いのではないでしょうか?
最近話題のエンディングノートも完成する人はわずか
このステージが終わると、いよいよ自分の人生の終い方を考えるステージに入ってくると思います。
何から手を付けて良いのか判らない位、様々な問題があります。思いつく範囲で上げて見ると、家の中の整理の事、病気や介護の事、延命に対する考え方の事、献体や臓器提供の事、葬儀の事、お墓の事、供養スタイルの事、不動産の事、資産配分の事など 上げたらきりがありません。
それぞれが重要な事ばかりです。
高齢者の方は、これらの事柄を一つ一つ解決するには、膨大な時間と手間がかかる事を理解しているので、子世代に迷惑はかけられないと、行動を始める方が多いと思います。
これを整理するのに役立つのが、エンディングノートです。
葬祭ホールのイベントで無料配布されるものから、数十万部も販売されたという文具メーカーのエンディングノートまで、数百種類の有料、無料のノートが存在していると思います。
残念ながら、高齢者の手に渡ったエンディングノートがキッチリと完成される事はありません。
様々な調査によると、完成される方は購入者の2~3%です。それだけ、自分の人生の終い方に真剣に向き合う事は大変難しいって事だと思います。
地方にあるお墓の問題で悩む人は多い
中でも難しい問題の一つが、地方にある墓の問題です。
今の高齢者の方々は、地方から都会に出てきた方が非常に多いので、墓をそのまま故郷に残してある事が多いのです。
その故郷の墓をどうするのか?故郷に墓を残しても、墓参りに行くのが大変とか、故郷に知り合いがほとんどいなくなってしまった等の問題で、墓を故郷から都会に移す方が非常に増えています。
ちなみに、都内における最近の新規納骨堂の購入者の改葬(昔の墓を閉めてしまい、その遺骨を新しい墓に移す事)の割合は非常に高い(約3割以上)と言われています。
また、都会では将来の供養の事を考えて、永代供養付きの墓を購入される方も増えています。
菩提寺と檀家と言う制度が、面倒なので、このようになっているのか?人の移動が激しいから、檀家制度が機能しなくなっているのか?それとも先祖供養の概念が昔と変わってきているからなのか?難しい問題です。
少しずつでも整理していくことが重要
何事にもプラスとマイナスがあります。
終活で人生のやり残した事を考えながら、人生を終う事も考える。終う事は非常に大変な作業を要します。
家族と信頼できる専門家に相談しながら、時間や体力やお金を有効に活用して、少しずつ自分の人生を整理していくのが良いと思います。
(鈴木 優治/終活・葬祭プロデューサー)
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