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SNSなどのコミュニケーション手段が適応障害の若手社員を増やす?

JIJICO / 2016年5月16日 12時0分

SNSなどのコミュニケーション手段が適応障害の若手社員を増やす?

SNSなどのコミュニケーション手段が適応障害の若手社員を増やす?

適応障害になる若手社員が増えている現状

近年はせっかく就職しても職場の環境に馴染めず、適応障害になってしまう若手社員が増えているようです。
適応障害とは文字通り、周りの環境や人間関係に上手く適応出来ない事による精神的ストレスが原因で、精神状態が不安定になったりうつ状態となり、結果、会社に出社出来なくなるなど日常生活に支障をきたしてしまう障害です。

適応障害が重度になると、会社を辞めなければならなかったり、外出するのも困難な状態になりますから、個人で出来る対策とともに社会支援による早めの対策と改善策の取り組みが求められます。

コミュニケーション手段の変化が要因に

まず適応障害の若手社員が増えている背景には、スマホやSNSなどによるコミュニケーション手段の変化が挙げられるでしょう。

かつては相手とコミュニケーションを図ろうと思えば、直接相手と会うために相手の手を止めて時間を割いてもらう必要があり、どうしても相手の便宜を考えてコミュニケーションを図る必要がありました。

しかし近年はSNSやショートメッセージなど、メールを使って簡単に済ますような伝達方法が普及したため、コミュニケーションの方法も相手の都合を考えたものから自分都合による一方的なものへと変化しています。
その結果、相手の状況や感情を上手く汲み取れない人が増えて来て、周りの環境や人間関係にも上手く適応出来なくなってしまうようになったのです。
比較的このようなコミュニケーションを普段から多用している若い人が適応障害になるケースが増えているのは、このためなのです。

コミュニケーションの簡素化は更なる適応障害を増やす要因にも

普段から直接コミュニケーションを取るようなことをせずに、相手の気持ちを汲み取ったり、状況を察する能力が低下した結果、空気を読めない人と言われるような人ほど適応障害になりやすいのです。
つまり、コミュニケーションの簡素化を可能にして来た社会構造そのものの変化も大きな要因となっているのです。

特に小学生や小さい頃から電子ツールに頼ったコミュニケーションしかしていないと今後更に適応障害になってしまう若い人が増えて来るでしょう。
そうなると適応障害になってからの社会復帰問題どころか、人間社会そのものが成り立たなくなってしまいます。

幼いころから直接コミュニケーションの機会を増やすことが肝心

結局のところ、適応障害になりやすい要因は圧倒的なコミュニケーション不足ですから、この現状を改善するにはSNSを使ったコミュニケーションから、直接人と接してやり取りするコミュニケーションの機会を増やす事が大切です。

しかも一度身に付いたコミュニケーションは大人になってからでは改善するのは難しいため、幼い頃からなるべく人と接する機会を増やし、大勢の中でのコミュニケーションに慣れておく必要があるでしょう。

もちろん適応障害になるのはコミュニケーション不足だけが全ての要因ではありませんから、社会環境に上手く適応出来るように普段からメンタルバランスを整えたり、負担にならない程度に人と交流する機会を増やし、早めに専門家に相談するなど自分でも出来る対策に取り組んでみてください。

いくら取り組んでも改善の見込みがない場合は、会社にも相談して長期休暇を申請したり、思い切って転職を考えるなど、環境そのものを変えてしまうのも一つの方法です。

(宮本 章太郎/心理カウンセラー)

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