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喫煙は百害あって一利なし 禁煙でがんなどの危険度は急速に下がる 

JIJICO / 2016年6月28日 15時0分

喫煙は百害あって一利なし 禁煙でがんなどの危険度は急速に下がる 

喫煙は百害あって一利なし 禁煙でがんなどの危険度は急速に下がる 

様々な病気の原因となる喫煙が体に悪いわけ

たばこの煙には4000種類以上の化学物質が含まれていることが判明しています。
そのうち有害と分かっているものだけで200種類以上もあります。
また、これらの中には40~60種類の発ガン物質が含まれています。

たばこを吸うと一酸化炭素も体内に取り込まれます。
一酸化炭素は酸素に比べ240倍も赤血球にあるヘモグロビンと結合しやすく、体内組織の酸素欠乏により動脈硬化が進み、脳卒中・急性心筋梗塞・大動脈解離などの循環器疾患を発症する危険度が高くなるとされています。
タバコを1日25本~49本吸っている人は、心筋梗塞で死亡する危険度が吸ってない人に比べ2.1倍になり、本数が増えるほど死亡の危険度が上がるのです。
脳卒中発症と喫煙との関係では若年者の方がその危険度が大きく、喫煙本数が増えるほど脳卒中発症の危険度が高まると言われています。

喫煙によってがんの発症率は飛躍的に上がる

喫煙によって発生が増加すると言われているがんの危険率はどの程度なのでしょうか?
喫煙が肺がん(4.5倍)の原因になることは良く知られていますが、たばこの煙の通り道である口腔・咽頭のがん(3.0倍)や喉頭がん(32.5倍)、あるいは唾液(だえき)と一緒にたばこのヤニが飲みこまれることにより、発がん性物質の影響で、食道がん(2.2倍)・胃がん(1.4倍)・肝臓がん(3.1倍)・膵がん(1.6倍)・膀胱がん(1.6倍)が起こりやすくなると言われています。

先にも述べた様にたばこを吸う男性は、吸わない男性に比べ、肺がんの危険率が4.5倍多いと言われていますが、禁煙をすれば5年でその危険率が半分、10年たつと、吸わない人と同程度にまで危険率を大きく下げられるとされています。
肺がんは検診でも見つかりにくいがんの一つです。
最もよい肺がんの予防法は禁煙です。

禁煙することで病気の危険性は急速に下がる

禁煙の効果は、脳卒中や心筋梗塞などの循環器疾患では比較的早く現れます。
例えば女性の心筋梗塞による死亡率は、喫煙者が非喫煙者より4.5倍に及ぶことが明らかになっています。

しかし禁煙すれば、危険性が急速に下がることが知られています。
心筋梗塞をはじめとする循環器疾患では、肺がんに比べ早く危険性が改善します。
禁煙して2年くらいで、心筋梗塞の発症危険度は喫煙者の半分に、5年たつと吸わない人とほぼ同じくらいまで減少します。
国内の大規模な追跡研究でも、禁煙して2年以降は、たばこを吸う人の危険度の半分以下になることが分かってきました。

以上の様に肺がんを含めたがんのみならず、心筋梗塞や脳卒中も禁煙による危険性の低下が明らかになっていますので喫煙なされている方は積極的に禁煙なさることをお勧めします!

(佐藤 浩明/消化器内科専門医)

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