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寿命にも影響する高齢者の「腰曲がり」 日常での予防法とは?

JIJICO / 2016年8月20日 9時0分

寿命にも影響する高齢者の「腰曲がり」 日常での予防法とは?

寿命にも影響する高齢者の「腰曲がり」 日常での予防法とは?

高齢者の「腰曲がり」とはどういう症状か

昔話などによく登場するような杖をついて背中が丸まっている状態を「腰曲がり」と呼びますが、正式名称は「脊椎後彎症(せきついこうわんしょう)」といい、次のような原因が考えられます。

① 加齢
自然な老化現象の一つとして、歳をとるにつれて骨はもろくなります。
加齢による骨の摩擦・変形・骨粗鬆症・椎間板の変性などで背中が曲がるものを「老人性後彎症」といい、特に高齢の老人に腰や背中の曲がった人が見られるのはこのためです。
医師の診断によっては手術の対象になります。

② 生まれつき(先天性)
生まれつき背骨の変形が見られる場合もあり、「先天性脊椎後彎症」と呼ばれます。成長にともなって進行するものがあります。

③ 姿勢の悪さ
背中を丸めた猫背の姿勢が習慣化することで背骨が大きく曲がることがあります。
事務員などのデスクワークに従事する人や、手作業での田植え仕事をする人などにもよく見られます。

「腰曲がり」による悪影響

「腰曲がり」は体にとって様々な悪影響を及ぼします。

① 歩行・立ち上がり・トイレなどの日常生活動作の機能低下
「腰曲がり」によって骨盤後傾(後ろに傾く)し、背中が丸くなることで下記のような動作が行いにくくなり、様々な日常生活動作に支障が及びことになります。
そして、運動器の衰えや障害によって、要介護になるリスクが高まる状態、いわゆる「ロコモーティブシンドローム」につながっていきます。
〇脚をあげる筋肉がうまく働かない
〇腹筋(インナーマッスル)がうまく働かない
〇椅子からの立ち上がりなどで重心移動が行いにくい
〇体のねじれが少なくなる
〇肩甲骨・肩関節の動きが悪くなり高いものに手が届かなくなる
〇腰痛・肩こり・膝痛・肩痛などの症状がでやすい

② 内臓などへ及ぼす悪影響による症状
〇肋骨の可動性に制限があるため呼吸がしにくくなる
〇内臓を圧迫するため食欲不振、逆流性食道炎を引き起こすこともある
〇心臓や血管の通り道を圧迫し、血流不全や冷えなどが起こることもある
〇自律神経に負担をかけるため、頭痛・めまい・吐き気・寝つきが悪いなどの症状が起こる。

その他、これらの症状と因果関係があると思われますが、寿命が短くなるという報告もされています。

日常生活の中で出来る「腰曲がり」の予防法

「腰曲がり」の状態になると、心身に様々な影響を与えるために、普段から予防に努めるべきだと考えます。
具体的には以下の方法を提案します。

① 日常生活において姿勢を意識する(骨盤を立てて頭のてっぺんが天井に引っ張られる)
② インナーマッスルを強化する(呼吸法や体幹トレーニング)
③ 股関節の筋(大殿筋・腸腰筋)、背筋を鍛える
④ 背骨を反らすストレッチを行う(背もたれを活用)
⑤ バランスのよい食生活を心がける

自分はまだ若いから大丈夫と思わず、日常生活において意識するようにしてください。

(花岡 正敬/理学療法士・柔道整復師)

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