年金だけに頼れない世代は今から何を準備すれば良いのか?
JIJICO / 2016年8月25日 9時0分
年金だけに頼れない世代は今から何を準備すれば良いのか?
超高齢社会の日本では年金だけで生活するのは難しい
皆さんは「高齢化社会」という言葉の意味をご存知ですか?
65歳以上の高齢者の人口比率が7%を超えた社会を指す言葉ですが、今の日本の高齢者比率は26%を超えており、「超高齢社会」となっています。
同じく高齢化の進んでいる国家としてはイタリアやギリシャなどヨーロッパ各国がありますが、医療制度や福祉制度が進んでいるこれらの国家と日本とでは少し事情が異なります。
例えば「年金問題」ですが厚生労働省が発表した平成27年度のモデル年金額は、国民年金から支給される基礎年金が6万5008円、厚生年金を含めた夫婦合計年金額は22万1507円です。
年金額は人によって受け取る金額が異なりますから一概には言えませんが、この平均的な金額は覚えていた方が良さそうです。
20万円前後という金額であれば生活の基本的な部分は賄えるかも知れませんが、子供や孫への住宅支援や教育支援、旅行や趣味などの余暇活用費用、また将来の「介護」などへの備えとしては充分とは言えないのではないでしょうか。
年金では不足する老後生活資金を準備する手段としては、国の政策に頼らずに自助努力で資金を準備する必要がありそうです。
老後生活資金準備のための投資について
その手段として、長らく低金利状態が続く預貯金以外に①時間と②金利を味方に付ける「投資」以外に方法はないと考えます。
つまり「なるべく早い時期に老後生活資金準備の必要性を認識して、より有利な金利(運用益)を期待する」という事です。
ここで重要なことは「投資」は決してバクチであってはいけないという事。
一攫千金を期待するのではなく(ハイリスク、ハイリターンではなく)なるべく長い時間をかけてコツコツと準備をする必要があります。
「時間を味方につける」には2つの意味があります。
1つは、時間を味方に付けることで毎年、あるいは毎月の積立額を無理のない金額に抑える事が出来るという事。
生活に負担がある投資は長続きしませんし、精神衛生上良くありません。
無理のない計画で「気が付かないうちに準備ができていた」という事が意外に大事なのです。
2つめは運用面です。
一度に大きな金額を投資するとどうしてもその後の値動きで結果が決まってしまいますが、上がっても下がってもあまり気にせずコツコツと積み立てを行うことでリスクを軽減する事が出来ます。
「金利を味方に付ける」とは運用益の事です。
これに関しては「絶対にそうなる」という確証を抱く事は難しいですが、今や日本国内だけではなく世界中の株式や国債・為替などへの投資機会が可能な時代です。
世界のGDPが依然拡大傾向である事を鑑みると、投資(運用)による運用益に対する期待は非常に高いと思われます。
老後から逆算して今から何をすべきかのシミュレーションを
何から始めればいいのか。
まず「何年後にどれくらいの金額を準備したいのか。」を考えましょう。
例えば30歳から65歳までの35年間で2000万円を貯めたいとします。
金利つまり運用益がゼロであるとした場合は毎月約4万8000円の積み立てが必要ですが、運用益が3%と期待すると年間で約33万円、月々約2万7000円の積立という計算になります。
この計算は専門家であれば全員知っている知識ですが、専門家でなくても「減債基金係数」表を使用すれば容易に計算できますから、是非試してみて下さい。
毎年あるいは毎月の積立金額が計算できれば今度は「キャッシュフロー表」を作ってみましょう。
収入金額や預貯金額、その他の金銭的な情報を表にして現在から将来にわたる予想家計簿を作成するのです。
その表に積立金額を盛り込んで「この計画で老後生活資金の準備が可能かどうか。」
「無理のない(生活に支障がないか)計画か。」を判断します。
このキャッシュフロー表は老後生活資金の準備だけでなく、例えば住宅購入など大きなライフイベントを考える上でも非常に役に立ちます。
一度作成したキャッシュフロー表を時々見返したり適宜修正したりする事もできます。
キャッシュフロー表の作成に関しては様々なルールや考え方がありますので専門家に相談するのが良いでしょう。
(長谷川 泰且/ファイナンシャルプランナー:CFP(Certified Finanncial Planner))
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