切れやすい高齢者が増えたわけは?どのような対策が考えられるか
JIJICO / 2016年8月30日 9時0分
![切れやすい高齢者が増えたわけは?どのような対策が考えられるか](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/jijico/jijico_21111_0-small.jpg)
切れやすい高齢者が増えたわけは?どのような対策が考えられるか
高齢者がなぜ切れてトラブルを起こすのか
最近、テレビのニュースでもシニアトラブルがたびたび報道されるようになり、高齢者による暴行事件が増えていると言われています。「切れやすい原因」はどこにあるのでしょうか?
単に高齢化社会になったからというだけではないように思われます。
現に、老人犯罪者数も人口増加以上に増えていると言われています。考えられる理由をいくつか挙げてみましょう。
・「セロトニン」の減少。
心のバランスを整える作用のある伝達物質セロトニンが減り、心身のバランスが崩れて暴力的になる事が考えられます。
・前頭側頭型認知症。
前頭葉は物を考えたりする場所で、そこが委縮すると理性的な行動が出来なくなり、一般的な行動から逸脱して感情のコントロールや衝動の抑制が困難になります。
平気で思った事を相手にぶつけたり、ルールを無視した行動に出て、それを注意されると怒りだし、時には暴力をふるう事もあります。
・脳の老化。
使っていない範囲がどんどん増えて脳の機能が衰え、その人の持って生まれた性格が顕著になります。
もともと切れやすかった人はさらに切れやすくなります。
・ストレス。
平常心を失う心理状態はストレス反応による可能性もあり、高齢になると不自由な体と精神的ストレス、孤独感や老後不安なども考えられます。
切れやすい高齢者には特徴がある
現代社会に適応できていない高齢者が多くなりました。
切れやすい特徴としては
・かかわってくれる人がいなく、孤独感がある
・日常的な楽しみがない
・人間関係がうまく築けない。
などが考えられます。
特に社会的な認知度が高かった人が退職すると、肩書を喪失して普通のおじいちゃん扱いされるなどでギャップを感じます。
男性の場合、女性と違い人間関係のほとんどが仕事関係だった人も多く、定年退職すると社会から孤立する場合が多くなります。
その結果、疎外感や孤独感が加速するとストレスで暴言、暴力が生じます。
そうならないために高齢者の方が自分で出来る対策としては
・孤立しないよう、外出を多くする
地域行事への参加、ボランティア、趣味のサークルへの参加。
散歩や周辺の掃除でもかまいません。孤立しないためにも出来るだけ外へ出て、少しでも人と会話できる機会を増やしましょう。
・下半身を使った運動
散歩や軽い運動は脳内に酸素が回り、脳の活動が活発になります。
・わくわく感を持つ
オシャレをしたり、いつもと違う料理をしたり、常に新しい事を心がけ、脳を鍛えて心身のリフレッシュをしましょう。(刺激を味わう事が脳の活性につながります)
切れやすい高齢者を生まないために周りの人が出来る対策
そして身近な人のサポートも大切です。高齢者のいるご家族は、「何かしたい」と言った時に「無理だから」「みっともない」などと可能性を絶たずに温かく見守ることも必要です。
何でも代わりに「やってあげる」と自分で出来る事も全部してあげるのも良くありません。
そして、機嫌のよい時にはトラブルは少ないものです。
イライラしていたら反論や否定などはせずに理解して受け流しましょう。
反論すると怒りがエスカレートしてしまいます。
これからも高齢者は増えていく傾向にあります。シニアの人たちには、町会への積極的参加や地域ボランティアなど無理せず孤立しない社会参加をしてもらい、大切な社会の一員だという自覚を持つ事も必要なのではないでしょうか。
(飯塚 和美/心理カウンセラー)
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