「ギャンブル依存症」って何?身近に潜む依存症の危険と治療法について
JIJICO / 2016年9月2日 15時0分
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「ギャンブル依存症」って何?身近に潜む依存症の危険と治療法について
ギャンブル依存症で人生を狂わせてしまう人も
あなたの身近に、朝から夜までパチンコやスロットをしていたり、競馬場に入り浸っていたり、いつも携帯電話で課金ゲームに興じている、そんな方はいませんか。
最近では、著名で才能のあるアスリートたちが、違法な賭博やパチンコにのめり込んでしまい、オリンピックへの出場資格すら失ってしまう方もいらっしゃいました。
「ギャンブル依存症」という言葉は、ここ数年でようやく知られるようになった言葉のひとつかも知れませんが、それがどんな症状で、どのような対応をすべきなのかはまだまだ知られていないように思います。
今日はそのことについて少しお話ししたいと思います。
依存症とはどういう状態をさすのか?
さて、そもそも「依存症」ってなんだろう?と思われる方もいらっしゃると思いますが、例えばアルコールや薬物などの依存物質や、ギャンブルや窃盗などの依存行為を、ご本人がやめたいと思っているのにやめられない状態のことをいいます。
そして「依存症」になってしまうと、その依存物質や依存行動なしではイライラする・不安になる・眠れない・居てもたっても居られないなどの症状が現れ、その症状に生活のすべてが支配されて、自制心が効かなくなります。
その結果、依存物質の摂取や依存行動をやめることができずに繰り返し、そのような生活が心身の健康を蝕み続け、それでもやめられない・・・「依存症」はその人や人生を壊してしまう魔のスパイラルといえるかも知れません。
身近な娯楽としてのギャンブルが依存症の入り口になりうる
「ギャンブル依存症」の方の中には、パチンコや競馬などの賭け事を繰り返し、自分の意志でやめることができなくなってしまった結果として、その掛け金を手に入れるために借金を繰り返して破産したり、窃盗や横領などの犯罪行為をしてしまう方もいらっしゃいます。
また、パチンコ屋さんや競馬場、馬券売り場は日本全国どの地域でも身近に存在しています。
思えば縁日のくじ引き、年末の宝くじなど、私たちが暮らす日本では賭け事が小さな頃から身近な娯楽として存在しています。
「ちょっとパチンコに行ってくる。」そんな手軽さが、「ギャンブル依存症」への入り口を広げ、その敷居を低くしているように思います。
では、実際にその方が「ギャンブル依存症」になっているかどうかはどうやって知ることができるのでしょうか。
広く知られているものとしては、サウス・オークス・ギャンブリング・スクリーン(SOGS)という簡易検査があります。
ギャンブルで負けた分を取り返そうと別の日にギャンブルをするか?など12の質問に答えるSOGSはインターネットで検索すればホームページサイトで紹介されていますので、興味のある方はご自身でチェックしてみてくださいね(簡易検査ののち、精神科や心療内科の医師の診察を受けることをおすすめします)。
ギャンブル依存症から回復するための治療方法とは
「ギャンブル依存症」になってしまった場合には、そこから回復するための専門治療が必要となります。
治療には大きく分けて、精神医療つまりお医者さんによる医学的な治療と、自助グループや治療共同体と呼ばれる依存症者の集まりの中での癒しや分かち合いがあります。
特に後者はみなさまにとって少し馴染みがなく、イメージが持ち難いかもしれません。
依存症になってしまった方の悩みや苦しみは深く、幼少期のトラウマや、家族内での問題などいろいろな背景が影響して依存症になった、という方が多くいらっしゃいます。
そのような背景を依存症者がお互いに語り合ったり、分かち合うことで心の傷が癒え、依存物質がなくても生活できるようになる・・・自助グループや治療共同体では、依存症者がお互い「仲間」として支えあうことで、依存症から共に回復するプログラムやシステムを作り上げていらっしゃいます。
「ギャンブル依存症」になってしまった後、ギャンブルはもはや楽しみでも娯楽でもなく、苦しみやトラブルや喪失感を伴うものになってしまいます。
ギャンブルがやめられない、ギャンブルが生活の中心となり仕事や家庭がおろそかになる、何よりその方ご自身の心や体の健康が害されてゆく・・・そんな現実とそこからの回復について、みなさまに少しでもご理解をいただけたら嬉しいです。
また、このコラムを読まれた方の中にもし「ギャンブル依存症」の疑いがある方がいらっしゃるならば、その方がご自身の問題と向き合い、回復の一歩を踏み出されるきっかけになればと思っています。
(菅原 直美/弁護士)
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