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来年1月から加入対象が拡大する「個人型確定拠出年金」をスピード解説

JIJICO / 2016年10月10日 15時0分

来年1月から加入対象が拡大する「個人型確定拠出年金」をスピード解説

来年1月から加入対象が拡大する「個人型確定拠出年金」をスピード解説

来年1月から加入対象が拡大する個人型確定拠出年金

平成26年3月現在、個人型確定拠出年金の加入者は約18万人。
同時期の企業型確定拠出年金の加入者464万人に比べると極めて少なく不人気に映ります。
この個人型確定拠出年金が、平成29年1月から、現制度では加入できないサラリーマン家庭の専業主婦や公務員も加入できるようになります。
今回はそのメリット、デメリットを解説します。

掛金(拠出)は「確定」、給付(受取)は「運用次第」

確定拠出年金とは「拠出」する掛金(払うお金)は「確定」している「年金」です。
言い換えれば、将来、受け取ることができる金額は運用次第。
その運用商品は加入者自身が選択して決めます。
多くは投資信託であり、選択した投資信託の利益・損失は投資した人に帰属します。
「投資信託」のリスクは、適宜の運用見直しのほか、長期投資・分散投資により軽減できますが、損失を回避したい場合には「定期預金」や「保険」を選択することもできます。

税制面のメリットは大きいが落とし穴も

・掛金支払時
◎確定拠出年金の掛金は支払った金額は全額所得控除の対象となり、所得税・住民税が軽減されます。
仮に掛金が年間12万円、所得税率10%の場合、所得税率と住民税率10%を合わせて2.4万円(12万円×20%)の節税となります。
節税効果=運用益と考えると、超低金利の局面ではとても魅力的です。
▲上記の控除は加入者本人が本人分を支払った場合に適用できる制度ですので、専業主婦のように所得がない人が加入しても所得税、住民税の節税効果はありません。
この場合、所得がある夫が妻を被保険者として個人年金保険に加入して生命保険料控除を受ける方がよい場合もあります。
なお、掛金の金額は自営業者、会社員、公務員、サラリーマン家庭の専業主婦等、属性に応じて上限額が定められています。

・運用益
◎通常、投資信託や預金等の運用益は所得税・住民税が課税されますが、確定拠出年金の運用益は非課税となります。
▲損失を被っても損益通算等はできません。

・受取時
◎60歳以降に受け取る場合、一時金で受け取ると退職所得、年金(分割払い)で受け取ると公的年金等の雑所得となります。
退職所得は「(一時金-退職所得控除額)×1/2」で求められ、退職所得控除額は加入期間に応じて計算されます。
加入期間20年までは1年あたり40万円、20年超の部分は1年あたり70万円。
運用益(損)を考慮しない場合、毎月3.3万円(年間39.6万円)まで掛金を支払って、将来、一時金で受け取っても課税されません。
公的年金等の雑所得は確定拠出年金だけでなく、国や企業から受け取る年金も含めて「収入金額-公的年金等控除額」で求められ、控除額は65歳に達するまでは最低70万円/年、65歳以降は最低120万円/年。
この控除も大きな味方です。

手数料を要チェック

加入時、加入期間中、給付受取時には手数料がかかります。
掛金や給付の節税効果は手数料の金額が多くなるほど、目減りしますので、手数料の金額は要チェックです。

60歳前のライフイベント資金は別に確保を

確定拠出年金は老後資金準備の制度であり、原則として60歳までは引き出すことはできません。
60歳に達するまでの子どもの進学や結婚、住宅の購入・リフォーム等の資金は別に準備をしましょう。
確定拠出年金の節税効果も魅力的ですが、老後資金とその前のイベント資金のバランスを考えて、活用しましょう。

「確定拠出年金=投資」のようなイメージを抱く人も多いと思いますが、定期預金や保険等の元本確保型の商品も利用できますし、掛金を複数の投資信託に分散投資するなど、リスクをコントロールすることもできます。

個人型確定拠出年金に興味を持たれた方は、まずは、証券会社や銀行、保険会社等、個人型確定拠出年金を扱う会社に資料請求をしてみてはいかがでしょうか?

(益山 真一/ファイナンシャルプランナー)

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