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日本企業の退職金が激減 老後に向けてどう対応すればよいのか?

JIJICO / 2016年11月1日 15時0分

日本企業の退職金が激減 老後に向けてどう対応すればよいのか?

日本企業の退職金が激減 老後に向けてどう対応すればよいのか?

ご存知ですか?退職金が激減していることを

ライフプランを山登りに例えますと、住宅資金と教育資金の山を乗り越えて最後にやってくるのが老後資金の山ですが、これを乗り越えるための大きな柱が年金と退職金です。
しかしながら、この退職金に異変が起きています。
厚生労働省「就労条件総合調査」によりますと、定年退職者(大卒)の平均退職金は、山一證券が破綻した1997年の2871万円をピークに年々減少し、2013年にはついに2000万円を割り込み1941万円となりました。
16年間で930万円減少し、10年前の2003年(2499万円)と比べても558万円減っています。

退職金をもらえるのはまだましな方で、支給しない企業が増えています。
退職金制度のない企業が1993年は8%でしたが、制度自体を廃止する企業が続出し2013年は25%と4社に1社となっています。
また、年金についても少子高齢化のもとで制度自体を維持するためには、保険料の増額か受給額の減額か増税かいずれにしても我々国民の負担なしには考えられません。
こんな状況でも、自分の城は自分で守らなければなりません。
どう対応すればよいのか?一緒に考えてみましょう。

最初にリタイア時の必要貯蓄額を試算

対応策を考える時に最初にしなければならないのは、リタイア時の必要貯蓄額の試算です。
老後の費用には、生活費・介護費用・ローン残高・リフォームや子供の結婚費用などがあります。
また、収入は主として年金と退職金であり、費用総額と収入総額との差が必要貯蓄額となります。
もし必要貯蓄額を確保する見通しが立たない場合は、知恵を絞っていろいろと対応策を考えなければなりません。

必要貯蓄額から逆算して今からやるべきこと

必要貯蓄額を確保するためには次のような対応策が考えられます。

1.「働く」
先ず収入を増やすことを考えましょう。
定年退職後の再雇用制度の活用や再就職、得意分野を活かした起業などにより、5~10年働く年数を延ばします。
また、奥さんにも働いてもらうのも一つの方法です。

2.「節約する」
費用の削減にも取り組みましょう。
これから住宅の購入を考えている人は、新築だけでなく中古も検討対象に加えてください。
すでに購入済みの人は、過去最低レベルの金利水準を活用し住宅ローンの借り換えを検討しましょう。
教育費については、最近は進学に力を入れている公立高校も増えてきていますので、私立の中高一貫校にこだわる必要もありません。
奨学金や教育資金贈与制度の活用も考えてください。
また、食費・レジャー費用・通信費・光熱費・保険料など日常の生活費用をすべて見直し、ムダを省くようにしましょう。

3.「殖やす」
お金にも働いてもらいましょう。
マイナス金利で預金の利息は微々たるものになりました。
貯蓄から投資にシフトし、株式や債券などで運用すればもっと殖やせる可能性があります。
その場合は、個人型の確定拠出年金(DC)を活用されてはいかがでしょうか。
個人型DCを一言で説明しますと、「節税メリットの大きい老後資金の積立制度」です。
2017年1月から、企業年金(確定給付年金)のある会社員や公務員・専業主婦が新たに加入できるようになります。
メリットは、積立時・運用時・受給時のそれぞれにおいて税制優遇があることや、投資信託の売買手数料が通常かからないことなどです。
節税メリットに限れば、NISA(少額投資非課税制度)よりお得になっています。

退職金の激減や年金不安など老後資金については何かと暗い話題が多いですが、「働く」・「節約する」・「殖やす」の三本柱で豊かなシニアライフを築いていきましょう。

(山下 幸子/ファイナンシャルプランナー)

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