子どものやる気を起こさせるために親は何をすべきか?
JIJICO / 2016年11月16日 9時0分
子どものやる気を起こさせるために親は何をすべきか?
子どもが勉強をやる気にならないのは勉強の面白さを知らないから
親がいくら言っても勉強をやろうとしない子どもはいつの時代も多いものです。
それが将来に影響があるんだよとか、いろいろ理由を話してみても、子どもは理解してくれませんよね。
どうしたら子どもが勉強をやる気になるのか・・・親ならみんな知りたいはず。
答えはカンタンです。
勉強のほんとの面白さ、魅力を知らないからです。
もし学校で、ソレを学んでいたら、家で「勉強しなさい!」なんて言うことはないでしょう?
いつの時代も、学校では勉強のほんとの面白さは教えられていないということに、そろそろ世の中は気づく必要があるのではないでしょうか。
学校では勉強の面白さを教えられないことに気づいた教員時代の経験
私は現在心理カウンセラーをしています。
以前は教師でしたが、学校を辞めました。
勉強のほんとの面白さ、魅力を学校では教えられないからです。
一生懸命、真面目に勉強すれば良いことがあると教えるところが学校です。
教員時代、一生懸命、真面目に勉強しても良いことが“ない”子どもたちに出会って分かりました。
そんな子ども達は、勉強のほんとの面白さ、魅力を知らないまま、“強制”されてがんばらされているということに。
勉強のほんとの面白さを知れば、子どもは勝手に勉強し出します。
問題は、子どもではなく周りにあります。
勉強の面白さに気づかせる以前に、勉強すれば良いことがあるという誤った価値観を無意識のうちに植え付けようとしていることです。
勉強の面白さに気づかせるのには、勇気が要ります。
私の場合、先生が「教える・教えなければ」という姿勢をやめました。
教師である自分の評価が下がることを受け止める勇気が必要です。
学校の先生なのに、教えることをやめるのですから。
教えるのではなく、課題を設定し、子ども達だけで課題を解決する授業をしました。
全員が一人も見捨てずに、課題を解決することを教師は見守るだけです。
するとどうでしょうか。その日から、子ども達が伸び伸びとするようになりました。
もちろん、全員が課題を解決し、教室の人間関係が良くなっていきました。
傍から見れば“ダメ教師”。陰口はあったのでしょうが、耳にしたことがありません。
聞こえてくるのは「なぜあんなに授業が進むんですか?」「なぜみんな成績が良いんですか?」「なぜそんなにみんな伸び伸びしているんですか?」という声。
「授業を進めなければ」「子どもの成績を上げなければ」「伸び伸びとしたクラスをつくらなければ」・・・そうしなければ、教師である自分の評価が下がる。
問題は教師である私にあったのです。
私は、子ども達を一人も見捨てず「分かる」「できる」ようにさせてあげたいと思いながら、実は、自分が見捨てられないように必死に頑張っていたことに気づきました。
分からなければ教えられる。
子どもだけでは判断に迷う時、大人の立場で示してあげられる。
でも、勉強の面白さに気づけるのは子ども達自身。
それを邪魔しないことが教師として一番すべきこと。
子どものやる気を起こさせるための親の接し方
家庭に置き換えてみましょう。
「勉強しなさい!」と言うのをやめて、放っておきましょう。
あえてするのならば、「子どもがすすんで勉強することで親自身が満たされているのはどんな感情や気持ちなのか」を見つめてみることです。
実は、「勉強への姿勢」という子どもの問題を、親である自分の問題とすり替えて満たそうとしているだけなのです。
満たそうとしている本当の問題に気づけば、目につくお子さんの姿が気にならなくなっていきます。
だって、そこは問題じゃないから。
それでも我慢できない、こらえられないモヤモヤがあるのなら、お子さんに伝えてみてください。
「お母さんね、〇〇君(ちゃん)が勉強しないのを見てると・・・な気持ちになっちゃうんだ。〇〇の問題なのに、お母さん、自分の・・・の問題から逃げようとしてるんだね」
親の弱点をさらけ出す。すると、お子さんだって勉強したくない理由をちゃんと伝えてくれるようになりますよ。
その上で、「どうしても言わなきゃ勉強しない」というのなら、言うことの視点を変えてみることです。
「どうやったらこの勉強、面白くなると思う? お母さんには難しいなぁ」
こう投げかけて、ちょっと一緒に勉強に付き合ってみてください。
親子でどうしたら面白くなるのか、視点を変えて語り合ううちに、意外な面白い作戦が次々と出てくることでしょう。
「お母さんには難しいなぁ」と弱点を見せることをお忘れなく。
勉強のほんとの面白さは、お子さん自身がちゃんと見つけていけます。
お子さんを信じてあげてください。
そして、まずは親御さん自身の問題のありかをちゃんと見つけてみてください。
お子さんは勝手に勉強し出します。
(藤原 伸浩/学習教室講師/ 心理カウンセラー)
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