高齢者運転でまた悲劇 「生活の足」…進まぬ免許自主返納
JIJICO / 2016年11月26日 9時0分
高齢者運転でまた悲劇 「生活の足」…進まぬ免許自主返納
増え続ける高齢運転者による交通事故
最近、高齢運転者による交通事故のニュースをよく耳にします。
統計的にも、交通事故の件数自体は年々減少傾向にあるにもかかわらず、高齢運転者による交通事故は増加しているそうです。
こういった、高齢運転者による交通事故が社会問題となっています。
こういった問題に対し、法整備はどうなっているのでしょうか。
まず、2009年の道路交通法の改正により、70歳以上の運転者については、免許更新時に高齢者講習を受講しなければいけないようになりました。
また、75歳以上の運転者については、免許更新時に認知症の検査を受けなければいけないことになりました。
さらに、2015年改正では、認知症の疑いのある運転者に医師の診断が義務付けられ、その結果、認知症を発症している場合、免許の停止となり得ることとなりました。
こういった法整備については、やらないよりはましかもしれませんが、高齢運転者の交通事故を予防する効果は薄いと個人的には思います。なぜなら、高齢運転者が交通事故を起こす原因は認知症だけではないからです。
高齢者になると、判断スピードや運動能力の低下が顕著になり、素早くブレーキを踏んだり、ハンドルを適切に操作して危険を回避することが難しくなることも、交通事故の原因となっていることは明らかでしょう。
運転免許証の自主返納をしやすくする環境整備が必要
このように、高齢運転者による交通事故が社会問題となっていても、運転免許証の自主返納はなかなか進んでいません。
それはやはり、「足」を奪われることへの抵抗が要因だと思われます。
都市部にて生活されている方には実感が沸きにくいかもしれませんが、実際に地方で生活をしていると、公共の交通機関が整備されておらず、「車ナシには生活できない」というのが実情です。
移動手段を失うということは、単に趣味や娯楽を奪われるだけにとどまらない切実な問題であることを認識していただく必要があります。国家レベルだけではなく、地方公共団体としても、バスや特別に廉価なタクシーの利用等、車の運転を諦められる環境づくりが求められていると感じます。
また、高齢者用の三輪車や電動カートなど車に代わる乗り物の普及や、それに伴う道路の整備等にも力を入れるなど、高齢者が運転免許証を自主返納しやすい社会をつくることも必要でしょう。
(河野 晃/弁護士)
この記事に関連するニュース
-
相次ぐ「逆走事故」 もし見かけたらどう対処? 東名・中央道では2日連続で発生 いまだ減らない現状… 「正面衝突」による重大事故も
くるまのニュース / 2024年10月18日 13時50分
-
高齢の親に免許を返納させる言葉「事故を起こしたら大変だよ?」はNG。ひろゆきの使える“ズルい”言いまわし
日刊SPA! / 2024年10月14日 8時46分
-
知らない人多すぎ!「謎のちょうちょマーク」どんな意味? 見かけたらどうすれば良いのか…「分かんないなら免許返納してほしい」の声も!?
くるまのニュース / 2024年10月7日 14時50分
-
「高齢者の暴走事故=認知症が要因」は間違っている…高齢者医療の専門家「医師もメディアも伝えない真実」
プレジデントオンライン / 2024年10月6日 16時15分
-
【日本初※】高齢者の免許返納をサポートする株式会社セーフライドを福岡で設立 説得から車の買取り、返納後の生活まで支援するソーシャルスタートアップ
PR TIMES / 2024年9月30日 11時15分
ランキング
-
1行方不明のドイツ人大学生のパスポートが河川敷のトイレに 財布やリュックサックは見つからず 和歌山県
MBSニュース / 2024年10月22日 12時20分
-
2【速報】須賀川市で立てこもり事件…24歳の男を強盗などの疑いで逮捕
福島中央テレビニュース / 2024年10月22日 20時3分
-
3甲府市の事務効率課職員、長時間勤務で市役所から飛び降り死亡…市に5785万円賠償命令
読売新聞 / 2024年10月22日 20時21分
-
422歳男、事件後も普段通り出勤=親族「車ローンあった」―横浜緊縛強殺
時事通信 / 2024年10月22日 4時47分
-
5動物クリニックで立てこもり “刃物男”の身柄確保 福島・須賀川市
日テレNEWS NNN / 2024年10月22日 18時54分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください