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高血圧治療の薬を飲み続けることと副作用のリスクについて

JIJICO / 2016年11月26日 15時0分

高血圧治療の薬を飲み続けることと副作用のリスクについて

高血圧治療の薬を飲み続けることと副作用のリスクについて

高血圧治療と副作用について

 
最近、雑誌を中心とするメディアで、薬の副作用の特集がよく組まれています。
高血圧、糖尿病、高コレステロール血症のような生活習慣を改善する薬剤は、副作用が多いので、飲まない方がいいという論調の記事もみかけます。
高血圧治療と副作用について考えてみましょう。

高血圧治療は血圧の数値を下げることが目的ですか?

そもそも、なぜ高血圧症の治療をしなければいけないのでしょうか?
血圧という数値を正常にすることが目的ではありません。
高血圧治療の目的は、血圧が高いことによって起こる、狭心症や心不全などの心臓病、脳卒中、腎臓の障害を予防し、血圧の高くない人と同じように健康な生活を送っていただけるようにすることです。
実際、家庭で早朝測る収縮期血圧(上の血圧)が135mmHg以上で、心筋梗塞や脳卒中は2-4倍増加することが知られています。
血圧という数字は、心臓病や脳卒中などを予防するための、あくまで目安なのです。

高血圧治療薬(降圧薬)は副作用がないのか?

降圧薬を飲むと副作用が出ることがあります。
高血圧に限らず、本当に必要な薬を必要最小量飲むべきです。
降圧薬を飲んで高かった血圧が、正常な血圧になることによって、心臓病や脳卒中になる危険性が半分以下になります。
その利益を失ってまで、怖がらなければいけない副作用かということが重要です。

たとえば、すべての降圧薬の副作用で共通なのがふらつきです。
でも、ふらつきは血圧が高いことによっても起こります。
たとえば、ジムで運動したときの血圧が1日中同じということはなく、変動します。その変動によってもふらつくこともあります。
今まで、160mmHgで慣れていた人が、降圧薬で130mmHgと下がったことに対して身体が慣れていないためにふらつくことがあります。
では、慣れている160mmHgの方がいいのでしょうか?そうではありません。
心臓病や脳卒中を起こす確率が2-4倍増えているわけです。

薬剤が合わないという可能性もありますので、服薬している降圧薬の種類を覚えておくといいでしょう。
主な降圧薬とその特徴的な副作用症状を列記します。

1)カルシウム拮抗薬・・・動悸、頭痛、ほてり、足のむくみ、歯茎の腫れ
2)ACE阻害薬、ARB・・・咳(副作用でもっとも多い)
3)利尿薬・・・日光にあたった皮膚がかぶれた様になる(日光過敏症)
4)β遮断薬・・・徐脈

降圧薬の副作用を予防するにはどうすればいいか?

降圧薬の副作用を予防するために心がけて頂きたいのは、医師が余分な薬を過剰に出さなくていいように、医師に正しい情報を提供していきたいということです。
正しい情報とは、毎日処方された薬を指示通り飲んで、毎朝朝食前に家庭で血圧を測り記録する。
そして、血圧が不安定な時は2週間から1か月の間隔で通院し、医師に記録を見せて、ちょうどいい降圧薬を処方してもらうことです。
きちんと薬を飲んでいて、血圧が下がっていると降圧薬を減らしやすいのです。

薬の副作用の多くは、飲んだり飲まなかったりする患者さんに起こりやすいと言われています。
飲み忘れが多く、その時に血圧が上がっていると、医師は薬を減らすことに躊躇してしまいます。
定期的に受診をすると、目に見えない副作用も医師は必ずチェックします。
定期的な受診、血圧測定の自己管理で健康な毎日をお過ごしください。

(大西 勝也/内科医)

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