介護をする人に学んでもらいたい「アンガーマネジメント」
JIJICO / 2017年1月8日 9時0分
![介護をする人に学んでもらいたい「アンガーマネジメント」](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/jijico/jijico_22246_0-small.jpg)
介護をする人に学んでもらいたい「アンガーマネジメント」
アンガーマネジメントとは?
皆さんは「アンガーマネジメント」という言葉をご存知ですか?
アンガーマネジメントとは1970年代にアメリカで自然発生的に始まったアンガー(怒り、イライラ)の感情を上手に分散してコントロールしていくための心理教育です。
「教育」ですから、「怒りのメカニズム」について正しく理解し、コントロールする方法を学べば、誰でも怒りに振り回されて自分自身や周りの人を傷つけ信頼関係を損なうことがなくなります。
怒らないことを目指すのではなく、怒らなくてもいいことには怒らない。
怒る必要があるときは表現方法や場所を選んで適切に伝えられるようになるためのメソッドです。
最近、介護の現場では要介護認定に対する暴力や虐待などの問題が多く発生しています。
このような問題は、思うように動いてくれない要介護者に対して、ついわき上げる怒りの感情から引き起こしてしまうことが多いのです。
ですから、介護をする人にはぜひ「アンガーマネジメント」を学んでもらいたいと思います。
怒りに振り回されて自分の人生を台無しにしないために是非、身に着けてください。
「怒りの感情」を科学する
「最近イラッとすることが多い」「イライラする自分を直したい」という人が増えています。
「相手の態度や言葉にカチン!ときた」「思い通りにならない相手に思わず手を挙げそうになった」このような「怒りのマイナス感情」に振り回されることなく、上手にコントロールすることができたらストレスも溜まらず、前向きな気持ちで毎日を過ごせるようになります。特に怒りの4つの性質を知っておくとは日々の介護にも役立ちます。
①怒りは身近な人ほど強く現れます。
②怒りは強い人から弱い人へと流れます。
③怒りは立場の高い人から低い人に向けられます。
④怒りの感情はエネルギーにもなります
他人であればそれほど「カチン‼」とこないことも身内だから怒りの感情を抑えられない。
大切な家族だとわかっていても抑えられずに怒ってしまう。
そしてその後で後悔し、自分を責めてしまう・・・これでは心身ともにバランスが崩れてしまいます。
そこで今回は怒りのメカニズムとイラッとした時に役に立つアンガーマネジメントのテクニックを2つご紹介しますので是非参考にしてください。
怒りのメカニズムと「キーワード」
あなたがイラッとした時、その原因を「相手」「出来事」「発言・言動」のせいにしていませんか?
実は怒りの感情は次の3つのステップを踏んで発生するのです。
①ある出来事に遭遇する
②出来事に意味づけをする(許せない!間違っている!)
③怒りの発生!
例えば同じことを言われてもイラッとする人もいれば、それほど気にならない人もいます。
つまり怒る原因は目の前に遭遇した出来事そのものではなく、それに対してあなたがどのような意味づけをしたかによって決まるのです。つまり怒っているのは「あなた自身がそれをどうとらえたか…あなたの価値観」なのです。
このキーワードが「べき」です。
「○○すべき」「○○はこうあるべき」というあなたの価値観(正しいという基準値)と遭遇した現実とのギャップがあなたを怒らせているのです。
テクニック① 怒りの感情の「ピーク」をやり過ごす
怒りの感情には「ピーク」があるのをご存知ですか?
「イラッ」とするとアドレナリンが放出され、血液に乗って体全体に吸収されるのに約6秒間かかります。
この6秒間は感情のコントロールが取りづらいので、売り言葉に買い言葉、言い返す、やり返すなど、反射的な行動を抑える必要があります。
まずは6秒間やり過ごすための方法を考えてください。
例えば深呼吸をしたり、数を数えたり、軽くストレッチをするなど、できるだけ身体を使った方が効果的です。
テクニック② 怒りの「温度」を測る
これはスケールテクニックといって「怒り」の感情を点数化してレベル訳をする作業です。
同じ「ムカツク‼」でも昨日の「イラッ!」は3点。でも今の「イラッ‼」は2点ぐらいかな・・・
自分の怒りの感情を数値化することで、怒りを客観的に捉えることができるようになります。
「これくらいのことで怒っても仕方ないな…」と思えるようになりますのでぜひ続けてみてください。
他にもたくさんのテクニックがありますが、自分の怒りの傾向を知るためのアンガーマネジメント診断も大変有効です。
詳しくは私のプロフィールページから弊社のHPをご覧ください。
(栗栖 佳子/コミュニケーションコーチ)
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