宅配業者次々値上げ要請へ 物流急造で配送や人材確保の負担が限界に

JIJICO / 2017年3月21日 13時0分

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宅配業者次々値上げ要請へ 物流急造で配送や人材確保の負担が限界に

宅配便最大手のヤマト運輸が27年ぶりに値上げへ

3月7日宅配便最大手のヤマト運輸が、個人顧客分を含めた運送料金を9月末までに全面的に値上げする方向で検討に入ったことが分かりました。
全面値上げは消費税増税時を除けば27年ぶりとなります。
法人向け料金は、繁忙期の割増料金追加なども含めて検討するとのことです。

宅配最大手のヤマト運輸が運賃値上げに踏み切ることで、佐川急便や日本郵便などの同業他社も値上げに動く可能性が出てきています。
これに先立つ4日、ヤマト運輸は約7万6千人の社員を対象に残業の実態を調査して、支給すべき未払い残業代をすべて支払う方針を固めていますが、必要な原資は数百億円規模にのぼる可能性があります。

ネット通販市場が拡大し宅配便の取扱個数が急増

これまで宅配業界では、大口法人顧客向けに割安な運賃を適用することで、シェアを奪い合う構図が続いているために、会社側は給与水準を下げたり、サービス残業を常態化したりするなどして、売上高の50%を超える人件費を抑制することで利潤を確保してきました。
ところが、ネット通販ビジネスが拡大する中で、荷物の取扱個数が急増しているために、慢性的な人手不足に陥っている現場の状況改善のためには、ドライバーを中心とした人材の待遇改善を余儀なくされたのです。

宅配便の取扱個数の増加の背景には、ネット通販市場の拡大があります。
この市場は、過去10年間で9千億円台から2015年には13.8兆円と10倍以上に急拡大しています。
しかも、市場拡大の勢いは衰えず、野村総研は、東京五輪が開かれる2020年には22.9兆円になる予測を立てています。
こうしたネット通販発の荷物の増加により、国交省の調べによると10年前の2005年度は29.2億個だった宅配便の取扱個数は、2015度は37.4億個と28%の増加をしています。

しかし、取扱個数が増加する一方で、宅配業界のシェア争いは激しく、荷物の平均引受単価は下落し続けています。
10年前の2007年と比較すると、ヤマト運輸が650円弱でしたが、2015年は595円となっています。
佐川急便の場合、2007年が約530円でしたが、2015年は504円となっています。
この間、佐川急便は2013年に460円と過去最低の平均引受単価になりましたが、大口顧客だが運賃が安いアマゾンとの取引から撤退することで、平均単価を504円まで戻してきているという状況があります。

宅配便個数の急増で従業員にしわ寄せが

ジジコ

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