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インターネット上の人権侵害の危険とは

JIJICO / 2017年4月14日 14時0分

インターネット上の人権侵害の危険とは

インターネット上の人権侵害の危険とは

インターネット上の人権侵犯が増加傾向に

現在はインターネットやスマートフォンなどの端末の普及に伴い,SNSや動画投稿サイトで誰もが種々の情報を発信することができる社会になっています。
その中で,インターネットを介した人権侵害行為や犯罪行為の件数も増加しており,法務省の発表では2016年のインターネット上での人権侵犯事件数は1909件と,2001年の調査開始以来最多となった,という報道がありました。
私たち弁護士も,日々の業務の中でインターネットを通じた人権侵犯や違法行為の相談を受ける事が増えています。
そこで,今回はインターネット特有の人権侵犯事案について考えてみたいと思います。

インターネット上の人権侵犯事案

インターネットでの典型的な人権侵犯事案としては,掲示板やSNSに他人を中傷する書き込みや,個人情報やプライバシーを含む書き込みをしたりということが挙げられます。
その他にも,インターネットでの著作権・肖像権の侵害や,写真・動画投稿サイトを利用したリベンジポルノなどもあります。
 また,近年問題となっているヘイトスピーチはSNS等でも行われることがあります。
その他にも,不確かな情報を真実のように広めるフェイクニュースも新しい問題となっています。

インターネット上の人権侵犯が問題になるワケ

なぜインターネットでの人権侵犯事案が問題となるのでしょうか。
掲示板やSNSの情報は,ひとたび書き込まれるとあっという間に「拡散」され,投稿者も情報がどこまで拡散したか把握できません。
拡散した情報に中傷や個人情報,その他違法なものが含まれている場合,その情報は不特定多数の目にさらされてしまいます。
また,一旦拡散した情報を完全にインターネット上から消去することは極めて困難であるほか,デジタル情報として半永久的に残り続けるため,違法状態がずっと続く,ということも考えられます。
そのため,インターネット上で人権侵犯が行われた場合,重大かつ回復し難い損害を被害者に与えることになるのです。

インターネット上の人権侵犯を防ぐには

インターネット上での人権侵犯による被害を防ぐにはどうすればいいでしょうか。
違法な書き込みを意図的に行っている場合ももちろんありますが,多くの場合は違法であるという認識がないまま,不用意になされた書き込みで人権侵犯が発生していると考えられます。
そのため,まずはインターネットを利用して情報を発信する側が十分に注意し,「その書き込みは大丈夫だろうか」と考えながら行う必要があると思います。

また,インターネットは匿名だと考える人も多いですが,現在はインターネットの書き込みを誰が行ったかをある程度特定できるようになっています。
書き込みをする場合には,実名を出していなくても投稿者が特定できる,ということも常に意識しておく必要があります。
インターネットだから特別ということではなく,インターネットでの情報発信も普段の生活と同じように細心の注意を払うべきでしょう。 

(半田 望/弁護士)

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