GPS機能は高齢者の徘徊を減らすことができるのか
JIJICO / 2017年5月8日 14時0分
GPS機能は高齢者の徘徊を減らすことができるのか
認知症高齢者の徘徊が社会問題に
平均寿命が延び高齢化が進む中、認知症高齢者の徘徊は社会問題の1つとして課題となっています。
そのような中、GPSやQRコードを用いた徘徊対策が商品化されてきました。
このような機器を用いることによって、実際に徘徊を減少させることができるのでしょうか。
認知症高齢者が徘徊をした際に伴うリスクはいくつかありますが、ここではしばしば発生する2つのケースとそれにGPS機能を持った商品がどのように対応するかについて紹介したいと思います。
徘徊により行方不明になるリスクに対応
1つはどこに行ったかがわかならなくなり、介護者は捜索に困難をきたすということです。
認知症高齢者は予期せぬタイミングで徘徊を始めます。
中にはしばらくしてから、自分で戻ってくる方もいますが、帰り道がわからなくなって保護をされたり、途中で事故に遭ったりすることもあります。
そういった意味でGPSが組み込まれた靴等は、本人の居場所をリアルタイムに把握でき、介護者にとってみたら心強いでしょう。
身元がわからないリスクに対応
2つ目は身元がわからないリスクです。
高齢者の徘徊が社会問題とされる中、住民の理解も高まってきています。
そのため、認知症と見られる高齢者が不審な行動をとっていると、手を差し伸べてくれる方々も多数おられます。
こういったケースは警察に保護をされることが大半ですが、本人の身元がわからず家に帰られなかったり、介護者等への連絡に時間がかかることが多々あります。
そのような際、身元特定に役立つQRコードシールが衣服等に貼られていると、親族等に迎えにきてもらう際に助かります。
このようにGPSやQRコードの活用など、ハイテク機器を利用した認知症対策商品は、高齢者の徘徊対策として、期待ができる要素が高いと思われます。
地域での見守りも引き続き重要に
一方で、少なからず課題も見受けられます。
それは、これらの徘徊対策機器も本人が身に付けていなければ効果が発揮されないことです。
靴・カバン・衣類等にGPSやQRコードを取り付けるなど、介護者側は様々な対策を講じますが、本人がそれを身に付けて外出をするとは限りません。
また、身に付けて外出をしたとしても、カバンや衣類等は外出先で紛失することもあり得ます(店内で上着を脱いで、忘れたまま店を出る)。
そういった意味では、「町でみかける不審な行動をとっている高齢者は徘徊している可能性もある」という私たちの意識の持ち方も引き続き大切になってくるかと思います。
(中原 崇/社会福祉士)
この記事に関連するニュース
-
冬は血管がドロドロになりやすい…「絶対に放置してはいけない脳卒中」リスクが急増する"危険な場所"
プレジデントオンライン / 2024年11月21日 18時15分
-
5キロの盾持ち走る 初任科生に励まされ 新人記者が警察学校体験
毎日新聞 / 2024年11月18日 12時30分
-
「ゴミ屋敷で孤独死寸前のケースも」遺品整理業者が教える“おひとりさま女性”の悲惨な末路
週刊女性PRIME / 2024年11月18日 8時0分
-
帰り道がわからない…認知症やその疑いがある行方不明者は2万人弱【老親・家族 在宅での看取り方】
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月13日 9時26分
-
【もしかして認知症?】早めの受診が重要な理由をチェック
ハルメク365 / 2024年11月1日 22時50分
ランキング
-
1池袋暴走事故の飯塚幸三受刑者(93)が死亡 松永拓也さん「後悔や経験の言葉を託された。死を無駄にしたくない」
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年11月25日 11時38分
-
2【スクープ】世耕弘成氏、自らが理事長を務める近畿大学で公益通報されていた 教職員組合が「大学を自身の政治活動に利用、私物化している」と告発
NEWSポストセブン / 2024年11月25日 7時15分
-
3高市早苗氏はいつ「タカ派政治家」になったのか…「ポスト石破」に一番近い女性政治家の"克服すべき弱点"
プレジデントオンライン / 2024年11月25日 8時15分
-
4バイクパーツに「打倒県警」 SNSで集まり少人数ゲリラ化 暴走から空ぶかし「コール」合戦に 急増する騒音通報に沖縄県警「検挙は難しい」理由は
沖縄タイムス+プラス / 2024年11月25日 8時30分
-
5ALS嘱託殺人 被告の医師に2審も懲役18年 大阪高裁が控訴棄却
毎日新聞 / 2024年11月25日 10時51分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください