孤独死が増加する中、「安心して旅立つ」ために今しておくことは
JIJICO / 2017年6月16日 13時0分
誰にでも訪れる「死」。大往生が減り、孤独死が増加する傾向
超高齢化を迎える日本。
それに伴い核家族化が進み、未婚や死別による独居高齢者も増えてきています。
その人たちにも必ず訪れる「死」。
最近は、子供達や親戚などに囲まれた「絵に描いた様な大往生」が減り「孤独死」が増加傾向にあります。
見守る家族がいたにも関わらず、孤独な最期を迎えてしまい後悔する家族も少なくありません。
しかし、必ずしもひとりで死ぬことが寂しいとは限りません。
逆に人生に満足して安心して旅立つ人も多いと考えられています。
「天涯孤独の最期」で死ぬことは、回避できる
もともと一人で生活している方なら、ひとりで死ぬことは覚悟されている方も少なくはありません。
また、家族と生活していて付き添っていても、目を離した瞬間に亡くなっていたという可能性もあります。
誰かと一緒に死ぬということは不可能であり、最期はひとりで旅立つことになると考えていた方が良いのかもしれません。
すなわち、愛する人の最期に必ず立ち会える保証はないので、「ひとりで死なせてしまった」と後悔する必要はないのです。
ただ、全く誰とも縁がないとか「天涯孤独の最期」は悲しい最期であり、生きているうちに自分の努力である程度回避できるのではないでしょうか?
つまり、誰かと関わり、縁をつなぐ生き方をすることで、一人でも二人でも関わりのある人を増やせば孤独の最期を回避できる可能性があると思われます。
「安心して旅立つ」ために今しておくこと
人が最期を迎える場所は、これまでは病院や施設が多かったのですが、これからは、自宅(在宅)で迎えることが増えてくると考えられます。
これは、医療や介護の体制によるものだけでなく、その人自身が、どのように最期を迎えるか?という選択がなされる時代へ変化してきているということです。
すなわち、医療の進歩により容易に死ねない時代となってきているので、その人が、どこで生きてどこで死ぬのかを、具体的に考え決定できるような環境になってきたということです。
私が携わる介護業界だけでも、在宅支援(看取り介護など)の充実化が図られ、個人(家族)の選択で様々な最期を迎えるサポート体制を実施することができるようになりました。
しかし、まだまだ課題があるのですが、この仕組みこそが、孤独の方への「縁」となりうるのかもしれません。
また、この仕組みこそが「孤独死」の増加を防ぐことに繋がるようになることを目指しています。
私たちは、いつ死を迎えるかわかりません。
その時が迫ってから「孤独で死にたくない」「誰かに看取って欲しい」と言っても手遅れになってしまいます。
ということは、今のうちに「死から目をそらさず」時間を共有できる相手を見つけることが必要であり、その相手は家族だけでなく、様々な関わりにおいて、共有できる相手を見つけることができるのです。
そうすれは、人生に満足して「安心して旅立つ」ことができるのかもしれません。
(松本 孝一/介護事業コンサルタント)
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