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「働き方改革」何から始める?実現に向けてのポイントとは

JIJICO / 2017年7月10日 9時0分

「働き方改革」何から始める?実現に向けてのポイントとは

「働き方改革」何から始める?実現に向けてのポイントとは

働き方改革の全体像とは?


まず「働き方改革」の意義は大きく2つに大別されるということを抑えておきましょう。

一つ目は主に男性の意識・行動改革であり、次のような取り組みがなされています。
・長時間労働の是正
・人事評価制度の見直しなど経営者管理職の意識改革
・出産直後からの男性の育休取得の促進

二つ目はワークライフバランスと女性の活躍の推進であり、次のような取り組みがなされています。
・ワークライフバランスに向けた環境整備
・女性の活躍推進

昨今よく耳にするワークスタイル変革を実現していくためのツールとして、在宅勤務・テレワークはあらためて見直されています。

働き方改革としてこれまで、プレミアムフライデー、36協定の見直し、労働基準関係法令違反に係る公表事案の公開、イクメン・イクボスなどの施策が行われていました。とはいえ、これらをうまく取り入れて働き方改革を進めている企業はまだまだ少ないというのが現状です。少子化対策・総労働力の確保、女性の活躍を促進するためのものとして、働き方改革は今後ますます各企業に求められていくと考えて良いでしょう。

目的を定める

全体像を理解したところでまず取り組むのが働き方改革の目的の設定です。働き方改革の実施にあたっては、経営TOPが自ら中心となって積極的に進め、トップダウンで宣言してもらうのが望ましいですが、なかなかそういったことも難しい企業が多いと考えられます。ボトムアップで働き方改革を進めるためのコツは、目的を経営TOPにしっかりと理解し、協力を得ることです。

一般的に従業員へはワークライフバランスの実現や生産性の向上、継続雇用などを目的とすることが多いのですが、経営TOPには組織力の向上、競争優位性の獲得、イノベーションの創出と変換して説明し、納得してもらうのが肝心です。

もう1つ必要なのが働き方改革で投資をしたコストは実施後に回収し、結果的に企業にメリットがある事をきちんと伝えることです。TOPが目的を決定したところで、全従業員に対して宣言すれば後がとてもやりやすくなります。

関係各所を参加させる

目的が定められたら最初に行うのは関係する部署・メンバーを集め、働き方改革・社内施策実現のためのコンソーシアムを組むことです。これは途中で「うちの部署は話を聞いていない」というトラブルを防止し、途中でとん挫しないために必要な手段だと言えます。

コンソーシアムのメンバーは総務(規定・規則の改定)・人事(人事評価制度の見直し)・システム部門(システムの導入)・経営陣および管理職(経営者管理職の意識改革)・労働組合・ダイバーシティ推進室・女性活躍推進室などです。働き方改革というと総務の方が中心となることが多いのですが、総務が主導権を取っていった企業は規定の改定がスムーズに進み、成功していることが多いです。

手段・解決策を考える

目的が決まり、コンソーシアムが出来れば何から始めるかを考える準備が整います。

・長時間労働の是正
・人事評価制度の見直しなど経営者管理職の意識改革
・出産直後からの男性の育休取得の促進
・ワークライフバランスに向けた環境整備
・女性の活躍推進

上記のどれから手を付けたとしても、働き方改革は巡り巡って他の項目もカバー出来ていることが多いのです。例えば、長時間労働の是正から始めたとして、是正実現のためのフレックスタイム制の導入、裁量労働制の導入などを行った場合でも、経営者管理職の意識改革や人事評価制度の見直し、女性の活躍促進と複数の項目が達成できそうです。

また、女性の活躍を推進させようとするとテレワークの導入が選択肢に上がり、ワークライフバランスが実現し、男性が育児に参加できるようになり、女性の活躍の推進にも男性の育児休暇取得にも繋がる可能性が増すという具合です。

では最近増えてきた本社移転を機に働き方改革をする場合はどうでしょう。会議室の集約や「見える化」による「会議室が取れないから会議ができない」という非生産的な無駄がなくなり、Web会議などの導入により移動時間の削減、フリーアドレス制を導入にあたりテレワークを導入し、イノベーションを生みやすい経営体質に変わります。結果として、長時間労働が削減され生産性も上がり、投資を回収できるようになってきます。

移転までいかなくても、紙の電子化、袖机の撤廃、フリーアドレス制の導入、テレワークの導入などによって最終的に長時間労働の是正、ワークライフバランスの実現、人事評価制度の見直しなど働き方改革が出来ているという事に繋がります。

このように何から始めるかは企業によりさまざまで、「今何が会社にとって必要なのか」から導くことが重要です。

(家田佳代子/)

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