身内の暴力を隠す傾向にあるのは女性だけか?
JIJICO / 2017年8月21日 8時30分
身内の暴力を隠す傾向にあるのは女性だけか?
身内の暴力を隠す傾向にある日本
皆さんは身内から暴力を受けた事があるでしょうか。暴力の定義を身体的な暴力のみならず、精神的な暴力(言葉や態度による暴力)も含めると、身内からの暴力を受けた事がない人は少数派かと思われます。では、身内から暴力を受けた時に、私たちはどのような対応をしているのでしょうか。
龍谷大学教授らはこの度、近畿在住の女性2400人(回答者741人)を対象に15歳以降に夫や恋人から身体的な暴力を受けた事があるかどうかの調査を行いました。調査結果をEUの調査(2012年実施)と比較したところ、暴力を受けた女性の割合はEUが20%で日本は9%。その中で実際に警察に通報した割合はEUが14%に対し、日本は0%でした。この背景には、龍谷大学教授らが見解しているように、家を重んじる日本の文化が、家庭内での暴力を隠すという傾向が少なからずあるかと思われます。
警察に通報することが最終ゴールではない
実際に暴力で苦しんでいるのであれば、身内だからといって我慢をする必要はなく、警察に通報する事は正当な手段であります。この際、注意しなければならないのは、最終ゴールは苦しみからの解放や家族円満であり、通報する事がゴールではないという事です。警察への通報はあくまでも手段の1つであり、親族や知人に相談して、問題が解決するのであれば、そのような選択肢も本人にとっては貴重な手段の1つです。
男性の方が身内からの暴力を隠しがち
一方、平成27年3月に内閣府男女共同参画局から発表された「男女間における暴力に関する調査」によると、配偶者からの暴力に対して女性の約4割、男性の約8割が誰にも相談しなかったという調査結果が出ております。この調査から言える事は、女性被害者の半数以上は誰かしらに相談をしていますが、男性の被害者は2割しか相談をしておらず、むしろ身内からの被害を隠しているのは男性という事実です。
また、女性が被害を訴えると世論は味方をしてくれますが、男性が被害を訴えても深刻にとりあげてくれないのも現状です。妻からの暴力を相談にいった男性が、女性相談員に「あなたがだらしないだけ」と門前払いを受けたという話がありますが、このような風潮がある限り、男性は追い詰められても誰にも相談できず、男性の自殺や孤立、暴力による報復といった事につながりかねません。
マスコミや女性保護団体は、こぞって女性の立ち位置を諸国と比較をしますが、特定の領域の数値だけに着目して問題化していては、物事の本質は見えてこず、根本的な解決にはならないと私は考えます。
(中原 崇/社会福祉士)
この記事に関連するニュース
-
作家・小野美由紀、子連れキャンプツアーで「虐待」目撃 顔3発殴られるも「介入してよかった」
J-CASTニュース / 2024年4月30日 17時1分
-
<独自>バトン男子選手にわいせつ行為か、40歳の指導者の男逮捕 京都府警
産経ニュース / 2024年4月29日 15時0分
-
アイドルイベントの最前列争いで殴られる ファンが顔にケガ訴え、警察に被害届
J-CASTニュース / 2024年4月24日 20時50分
-
「『逆らえば地獄に落ちるぞ』住職にマインドコントロールされ、性暴力を14年間受けた」 口をつぐむ大僧正、真実は…
47NEWS / 2024年4月24日 10時30分
-
パワハラ被害者の約4割が「転職した」 勤務先での解決はあきらめた
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年4月13日 7時34分
ランキング
-
1「幼少期から酷い言葉を投げられることもあった」安達祐実(42)が週刊文春だけに語った実母への“絶縁宣言”
文春オンライン / 2024年5月7日 17時0分
-
2プベルル酸上回る量の物質を検出 紅こうじ、被害主因の特定難航か
共同通信 / 2024年5月7日 22時10分
-
3オリックス元選手を逮捕、兵庫 高齢女性バッグひったくった疑い
共同通信 / 2024年5月7日 19時37分
-
4逮捕の内縁夫、殺害された夫婦を「パパ、ママ」信頼寄せられる 那須2遺体、捜査は新局面
産経ニュース / 2024年5月7日 20時46分
-
5後半国会、野党攻勢強める=衆院政倫審、8日にも申し立て
時事通信 / 2024年5月7日 18時6分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください