もうすぐスキーシーズン ブランクを埋める効果的なトレーニング
JIJICO / 2017年11月17日 11時50分
もうすぐスキーシーズン ブランクを埋める効果的なトレーニング
普段運動をしない人は要注意!
「子どもの運動会で、お父さんが肉離れ!」「アキレス腱がきれた…」など、普段運動しない人が急に運動するとケガをするというのはよく聞く話です。
ケガを防ぐため、そして久々のスポーツを楽しむためには、どのような身体の準備が必要なのでしょうか?特にこれからシーズンが始まるスキーなどの外力がかかるスポーツは、正しい足首・膝・股関節の運動と体幹の安定が重要なポイントになります。
後傾にならない為の足首の使い方
スキーブーツの前傾角度は大体13度前後。ブーツの中で足首が緩むと後傾ポジションになり、てこの原理が働いて足が前へ行き、つま先や爪を傷めることも多々あります。
それを防ぐ為に、「前脛骨筋(ぜんけいこつきん)」すなわち脛(すね)の筋肉を鍛えましょう。方法は椅子に座って足を前に投げ出し、つま先を上げ下げします。物足りない方はトレーニング用のゴムチューブなどを何かに固定して片側をつま先にかけ、かかとを床につけて支点にしながら引き上げるようにすると、少ない回数でも効いてきます。
勘違い!膝でエッジを立てる?
スキーでエッジを立てる時、膝を内側に曲げてしまうと負荷がかかります。膝は蝶番関節といって曲げ伸ばし方向にしか動かない関節なので、無理に横に動かそうとするとストレスがかかってしまい、故障やケガの原因になってしまうのです。
ここでは膝の位置を地面に着いた足の薬指から垂直の位置にセットしてスクワットでトレーニングしてみましょう。
脚力に自身のある方は片足を前に出すランジ運動で行えば、負荷は上がります。くれぐれも膝は薬指の線上を意識しましょう!
股関節の有効活用
膝に対し股関節は大きく他方向に動きます。エッジを立てる時にも膝ではなく股関節を意識します。
上級者のターン運動は、「屈曲伸展(曲げ伸ばし)」、「内転外転(開き閉じ)」、「内旋外旋(内外へのひねり)」をうまくコーディネートして成り立っていますので、それぞれの動きの精度と強さを獲得すれば上達&ケガの予防にもなります。
では、それぞれの代表的なトレーニングを紹介していきます。
1. スクワット膝の左右の位置は前回同様、薬指線上におき、積極的に股関節を曲げていきます。その時、膝はつま先より前に出ないように注意します。
2. ヒップアブダクション・アダクション横向きに寝転んで、上側の脚を横に上げて静止、数秒キープして下ろす、これを繰り返します。(外転)同じ姿勢で下側の脚を上に挙げて静止、数秒キープを繰り返す。
3. クロスランジスキーでは脚をひねると言うよりも、脚に対して身体が回らないようにブロックする為、股関節がひねられる。と言う動作が多いと考えられます。直立から前の支持脚と交差するように片脚を後ろへステップバックし、膝が床に着く程度しゃがみます。そこから直立まで戻ると言う動作を交互に繰り返します。
安定性と可動性、体幹の役割はどちら?
スキーに限らずスポーツでよい動きをするためには、良い安定性を得ることが不可欠です。肩や股関節の力発揮は体幹が安定していてはじめて効率よく行われます。体幹をどう捉えるらえるかにもよりますが、ここでは、お腹・わき腹・背中と胴体が姿勢を保持するのに使う筋肉と考えて鍛えましょう。
体育すわりから身体を後ろへ倒し、左右へひねりを繰り返す運動や、寝転んだところから少し上体を起こし、腿を左右交互に引き寄せる運動などで、お腹でバランスを取りながらどこかを動かす方法で鍛えてみましょう。
「スポーツは健康に良いもの」と言う考えはとても正しいのですが、急に始めたり、身体の機能を無視した使い方をするとケガにつながる、と言うことを認識しながらスポーツを楽しみましょう!
(樋口 和正/スポーツインストラクター)
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