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不満社員が多い日本企業が生産性を高めるために必要なこと

JIJICO / 2017年11月27日 7時30分

不満社員が多い日本企業が生産性を高めるために必要なこと

不満社員が多い日本企業が生産性を高めるために必要なこと

日本のサラリーマンは3人に1人が会社に不満を感じながら働いている

「日本企業のサラリーマンは3人に1人が会社に不満を持ちながら働いている。」そのような調査結果があるそうです。(参考:ベイン・アンド・カンパニーとプレジデント社の共同調査)

これは、グローバル企業と比較しても大変高い割合となっています。意欲がなく働いている社員の生産性は、そうでない不満社員と比べてやはり低い傾向にあります。少子高齢化が進み、人手不足が顕著になってきている今、不満を抱えたまま低い生産性で働く社員を大量に抱えることは、日本企業の抱える深刻な問題と言えるでしょう。

不満の原因は大きく3つに分けられる

社員が会社に不満を感じる要素は多種にわたりますが、
・働く条件に関すること:勤務地・労働時間の長さ・休日の少なさ・給与・業務内容
・精神面に関すること:人間関係・コミュニケーションの希薄さ・過度な干渉
・仕事に対する評価:あいまいで公平さに欠ける人事評価
など、大きく3つに分けて考えられます。

これらの中で、過重労働の抑制や適正な評価制度の構築などは、物理的であるために具体的な対策に着手しやすいといえます。一方で、社内の人間関係や業務内容に対する不満については、個々の内面的な問題にも関わってくるため、一度ずれが生じてしまうと解消することが容易ではありません。

必要としている人材像を明確にしてミスマッチを減らす

このような、社員と会社の思惑のミスマッチを減らすためには、まず会社が必要としている人材像を明確にするという手法があります。会社が求める成果を出す社員をモデルとし、その社員の行動を基準として、他の社員の評価や育成を行っていきます。

具体的には、通常採用時に行う様な『適性検査』を既存社員に実施します。社内で高い評価を受ける社員の結果がその会社で必要とされる行動や能力と考えられるのです。

例えば、能力があって優秀、しかし協調性が低く単独で行動しがちな人材がいたとします。希望する人材像が不明確な場合、その人材の能力のみに注目して採用しがちですが、適性検査により基準が明確になっていれば、自社にそういう人材が必要なのか、社内で成果を出している社員と比べてどうかといった具合に検討することができます。

「今、自社のどの部署にどのような人材が必要なのか」が明確になるため、それに反する人材を新たに採用するといったミスマッチは起こりにくくなります。既存の社員についても、個々の特性や問題を把握し、会社が求める基準に近づくよう教育を行ったり配置転換したりできるようになるでしょう。

また、良いパフォーマンスをしている社員というものは、概ねポジティブに働いている社員であり、社内でのコミュニケーションも上手くいっているものです。あまり同じような性格の人材を集めてしまうことは会社としてバランスに欠けますが、基準となる人材との調和を考えた上で、新たに採用する人材や既存社員の適材適所を見極めることは、以後のトラブル軽減につながるでしょう。

ミスマッチを減らして生産性をあげましょう

先述の調査では、やる気にあふれて仕事をしている社員は、そうでない社員に比べ、2.3倍ものパフォーマンスを発揮しているという結果もあります。つまり、不満があってやる気のない社員2人分以上の良い仕事をしているということです。

限られた人材でより良いパフォーマンスを出していくためにも、社員の不満因子を減らし、出来るだけ労使のミスマッチが少ない職場環境を作っていくことが大切です。

(大竹 光明/社会保険労務士)

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