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増える外国人の不法就労。外国籍の人を採用する場合は必ず「在留資格」を確認すること

JIJICO / 2018年4月14日 7時30分

増える外国人の不法就労。外国籍の人を採用する場合は必ず「在留資格」を確認すること

増える外国人の不法就労。外国籍の人を採用する場合は必ず「在留資格」を確認すること

超人手不足時代のなかで注目される外国人労働者

今は超人手不足の時代だと言われています。その超人手不足の時代に注目されているのが「外国人労働者」です。今までは外国人の受け入れに難色を示していた企業も、日本人だけでは人出不足を補えず、積極的に外国人労働者の採用に乗り出しています。

外国人の違法な就労が多発。「留学生」と「家族関係者」に特に注意が必要

それと同時に多発しているのが、「外国人の違法な就労」です。「違法な就労」というと、一般的には「不法滞在者を雇って働かせる」というイメージですが、より注意しなければいけないのが在留資格による「労働時間の制限」です。

外国人の日本での在留資格は30種類近くありますが、全ての資格に就労が許されているわけではありません。20年近く日本語学校や高校での外国人支援、企業での人事管理に携わっていた私の経験から、特に企業が注意しなければならない外国人が「留学生」と「家族関係者」です。

外国人留学生が働けるのは1週間に28時間が原則

「留学」で日本に来る外国人の目的は勉学です。日本の大学、専門学校、日本語学校で学ぶ外国人は当然勉強に専念しなければなりません。アルバイトは、あくまで学費・生活費を稼ぐための補助的活動です。留学生は、「資格外活動許可証」を取得することによって1週間に28時間(長期休暇中は別)まで働くことができます。留学生を雇用する企業は、必ず資格外活動許可証を確認した上で上限時間を厳守して働かせないと違法になります。

外国人の家族にも就労資格・制限がある

留学生については、日本に留学生が増え始めた1990年頃から違法労働問題が取りざたされてきましたので、だいぶ企業側も理解してきていると思いますが、最近問題となるのが、外国人の家族の就労です。外国人の家族には、日本人と同様に働ける資格と就労に制限がある資格があります。

配偶者が日本人の場合と外国人の場合で違いがある

日本人と同様に働ける在留資格の代表例が「日本人の配偶者等」です。配偶者が日本人であれば、日本人と同様に働けます。しかし、配偶者が外国人の場合は、配偶者の在留資格によって留学生と同様に制限がある場合があります。非常に複雑なので、具体例で説明します。

夫が日系ペルー人のデリアさん(仮名)は、配偶者の在留資格が「永住者」のため「永住者の配偶者等」という資格になり日本人と同様に働くことができます。しかし、中国人の李さん(仮名)は夫(中国人)が「企業内転勤」のため「家族滞在」の資格になり一週間28時間しか働くことができません。能力が高い人なので、会社も本人ももっと長い時間働くことを希望していますがかないません。

また、張君(仮名)は、親(両親ともに中国人)の仕事で小学校の時に中国から来日し、県立高校に入りました。成績もよく卒業後の就職先も決まったのですが、「家族滞在」のため社員として働くことができません。本人、家族、高校、会社にとっても非常に残念なことです。

このように、在留資格と就労の関係は非常に理解しにくく、人事担当者もよほど勉強しなければ、理解できません。「知らなかった」と言われても、うなずけるケースは多々あります。

在留資格の確認は企業・人事担当者にとって非常に重要

私が企業で人事を担当していたときには、在留資格の確認に気をつかいました。名前から判断して「特別永住者」(在日)の人であることが明らかな人がパートで入社しました。本人に確認をしたところ、「日本人と変わらないのに差別だ」と不快な思いをさせてしまいました。

また、日本語と名前からフィリピンの人だと思って在留資格を確認したところ、国籍は日本人だったということもあります。国籍、在留資格は重要でデリケートは個人情報です。人事担当者として確認作業は必須ですが、最大の配慮をもって行わないといけません。

(小倉 越子/社会保険労務士)

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