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浮気している夫から妻へ「冷たい態度を取る」というパワハラ

JIJICO / 2018年4月15日 7時30分

浮気している夫から妻へ「冷たい態度を取る」というパワハラ

浮気している夫から妻へ「冷たい態度を取る」というパワハラ


夫婦問題の相談を受けた場合、私はまずは相談者側の立場になってお話をお伺いします。しかし、そうは言いつつも客観的な見解は絶対に必要で、また実際に相談者も色んな角度からの意見を求めてらっしゃいますので、立場を変えて、何なら、ご主人の気持ちも推し量り、相談者と一緒に考えていきます。

「家庭内パワハラ」といっても、家事ハラのようなものがあり、ハラスメントの内容も多種多様です。

浮気する夫がされる妻に対して冷たい態度を取るというハラスメント

また夫婦の間に溝ができる理由も様々ですが、特に浮気問題に限って考察してみると、その種の問題は、ある特徴があります。浮気をする方が、される方に対し、冷たい態度を取るパターンです。この冷たい態度も程度や内容によりそれぞれですが、その冷たさの種類によって、その目的が分かってきます。

妻とのこれまでの事をなじったり、妻の家事や子育てに文句を言ったり、妻の容姿をけなしたり。なかには妻の金銭的な浪費を責め、夫が家計を牛耳るという事に変更したり、さまざまですが、一番多いのは、夫の行動への詮索をさせないようにさせる事です。

つまり、夫の行動には口出しするな!ということなのです。これはある意味、浮気をしている場合、浮気をやめる気がないという現れです。

正直に「浮気はやめない」とは言えないので、夫の行動や小遣いの使い道は、妻は口出しするな、という心理になります。妻からの「何時に帰るの?夕飯は食べるの?」という質問にさえ、夫は「分からん」という風に表現して、夫は行動予定を妻には知らせないという態度を取るのです。

そして、それでも浮気を継続するには何かと、疑問を持たれては困るので、猜疑心を持つ妻には「俺の事をそんなに信用できないのか?」と詮索をされないように、釘を刺します。

これが浮気に関してのパワハラです。

夫のことを信じる・信じないということとパワハラは別問題

パワーハラスメントとは、言葉や態度の圧力ですから、精神的な言葉の暴力が伴います。夫のパワハラは妻への圧力ですので、「(夫のことを)信じる、信じない」の問題ではないのです。
むしろ、妻には「信じられないのか?」と夫から問われても、信じるからといって夫婦愛があるとは言えません。

精神論の美しい話にすり替えられていますが、実は、俺の行動を詮索するな、という単純な事です。今、話題の女子レスリングの事にしてもパワハラ疑惑のあった(そして後日、いくつかのパワハラ行為が認定された)栄監督は表面的には綺麗ごとを述べていましたが、結局は、彼の個人的な感情が大きく働いていたように思います。

夫のパワハラを恐れたり、相手に屈することはない

政治も、会社も、家庭も小さな社会です。人間が織りなす出来事は、所詮、人間の感情が源になっています。家庭の出来事は、社会の縮図と言っても過言ではありません。

こういう風に、今、夫婦の置かれている背景が分かると、案外単純な構図が見えてきます。「夫にあんな事、こんな事を言われました。どうしましょう?」と怖がらなくても良いのです。パワハラをするご主人は、いじめっ子と同じです。

何でもかんでも怖がっていると、いじめっ子にいじめられます。貴女は、自分のお子様がいじめに遭っていると、「仕返しが怖いから怖いいじめっ子のいう事を、よく聞いて」などとは言わないでしょ?

貴女が今、ご主人に言われている事は、いじめの構図と同じです。いじめに屈する事はないのです。でも、いじめっ子って、乱暴ですから、闇雲に逆らうと、怖いです。力には、力で、戦えるとは限りません。だからと言って、泣き寝入りはしないほうがいい。

賢く立ち回る強さを身に付けてパワハラに立ち向かう

ここまで読むと、「え~い、じゃあ、一体どうしろって言うの?」って半ば腹を立てていませんか?

そうです、腹を立てていいのです。その怒りをカウンセラーの私に向けるのではなく、ご主人のいじめに対して腹を立てて欲しいのです。かと言ってご主人には下手に逆らうのではなく、信じたふりをして、水面下で疑い、観察しましょう。パワハラなんかに負けてたまるかという悔しさがバネになります。

賢く立ち回るという強さを身につけましょう。頑張りましょうね。

(村越 真里子/夫婦問題カウンセラー)

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