焼酎を楽しもう!種類・特徴と初心者向けのおすすめ銘柄
JIJICO / 2018年6月15日 7時30分
焼酎を楽しもう!種類・特徴と初心者向けのおすすめ銘柄
お酒が好きで色々と酔う手段を体験している人にとっては焼酎がどんなものかなんとなく解っている方も多いと思います。しかし、二十歳になりお酒が飲める年齢になってすぐに焼酎の奥深さを知るのは大変です。焼酎とはどんなものか?香味の特徴は?種類は?おすすめは?と言う素朴な疑問に今回はお答えしましょう。
そもそも焼酎とは「醸造酒」
日本酒はワイン等と同じ「醸造酒」焼酎は「蒸留酒」です。「蒸留酒」とは簡単に言うと「醸造酒」をアルコール分と水に分けてアルコール分だけを抽出したものです。水は100度で、アルコールは78.3度で気化します。この温度の差を利用してアルコールだけを取り出します。これを「蒸留」と言います。
蒸留酒の発祥は紀元前3000年前のメソポタミア文明期です。日本で造られるようになったのは1470年頃の泡盛が最初です。蒸留酒の中でも既定の原材料や酒税法にのっとって作られたものが焼酎なのです。蒸留したもので作られているその他のアルコールにはジン、ウオッカ、ラムなどがあります。
「焼酎」には大きく分けて3種類ある
1.単式蒸留焼酎=乙類焼酎・本格焼酎=一度だけしか蒸留していないものアルコール度数36度未満
2.連続式蒸留焼酎=甲類焼酎=何度も蒸留をかけた無味無臭の純度の高いアルコールアルコール度数45度以下
3.甲乙混和焼酎=単式、連続式焼酎を混合したもの使用できる原料は様々だが法律の規定がある
酒税法では厳しく原料の規定がなされています。皆さんは「芋焼酎」「麦焼酎」「米焼酎」「黒糖焼酎」「泡盛」など聞いたことはありませんか。これは、原材料による焼酎の区別的名称です。実は、焼酎には使用できない原料が規定されています。
ウイスキー区別するために「発芽」された麦芽などの穀類 ブランデーと区別するために「果実」(例外はなつめやし) ラムと区別するため「糖類」を含む砂糖、蜂蜜(例外的に奄美の黒糖焼酎がある) ジンと区別するため「杜松(ねず)の実」また「本格焼酎」と呼べるものも国税局で規定された53品目だけなのです。それ以外は「乙類焼酎」の表記となります。
代表的は焼酎の特徴・おすすめ紹介
泡盛 発祥:約600年前泡盛は主にタイ米、黒麹を使用し「どんぶり仕込」と言う原料一切を一度に混ぜ合わせて作るのが特徴です。蒸留酒の中でも米由来の香味がずっしりとしていて厚みがあり強烈です。初心者には中々厳しいかもしれません。アルコール度数は通常は30度ですが20度位のマイルドタイプもあるのでそこから試してみると良いでしょう。水割りで優しく飲んでみてください。おすすめは「比嘉酒造 残波ホワイト20度」。
米焼酎 発祥:約500年前泡盛と同じ米焼酎の種類ですが泡盛ほど強烈ではありません。しかし米焼酎の本場、熊本県の「球磨焼酎」は30度が主流です。初心者には度数的にもきついので減圧蒸留と言う蒸留器内の気圧を下げてからアルコールを抽出するすっきりタイプを選ぶと良いでしょう。減圧タイプは軽快、ややフルーティーな香りが特徴です。おすすめは「高橋酒造 白岳」。
麦焼酎 発祥:約400年前麦焼酎と言えば、果実を思わせる香りと飲みやすい味わいが特徴で初心者には一番入り口として良いかもしれません。まずは麦焼酎から試してみましょう。おすすめは「二階堂酒造 吉四六 きっちょむ」「三和酒類 いいちこ」あたりから飲んでみてください。麦焼酎がどんなものなのかが容易に理解できることでしょう。
芋焼酎 発祥:約300年前芋焼酎のメッカは鹿児島県。特に「甘藷かんしょ(サツマイモ)」で造られている焼酎の事を「芋焼酎」と言います。サツマイモが原料なのでサツマイモから来る甘さを感じさせるボリュームのある香味が特徴です。主流品種のサツマイモは「黄金千貫」ですが「安納芋」、「紫芋」、「ジョイホワイト」などサツマイモのタイプも様々です。それに加え「黒麹」「白麹」「黄麹」と麹菌の違いでも香味は大きく変わります。無限の組合せが楽しめるのも芋焼酎の特徴です。
がっちりとして芳醇なタイプも多く初心者にはやはりすっきりとした飲みやすいタイプが良いでしょう。減圧蒸留タイプで軽やかで甘くフルーティーな香りが特徴の「大海酒造 海」をおすすめします。
黒糖焼酎 発祥:本土復帰をした昭和28年世界のお酒のカテゴリーからすると「ラム」と言える黒糖焼酎。輪郭のはっきりとし熟成感を感じさせる甘味が特徴。これほど甘味を感じさせるのに糖質はゼロ。カクテルのベースに使われるのもうなずけます。黒糖焼酎の中でも癖のないタイプが初心者にはおすすめです。青竹や根菜類を感じさせる清涼感がある香味の「奄美大島開運酒造 音響熟成 れんと」や「町田酒造 里の曙」などは飲みやすいタイプです。
広くて奥深い焼酎の世界、楽しみ方もさまざま
簡単に焼酎の世界をまとめようと思っても最低でもこのくらいの説明が必要です。様々なタイプがある焼酎ワールド。初心者の方にはなおさらの事、ぜひご紹介した蒸留酒を一口だけでもいいので「生(き)」少量飲んでみてください。香味の特徴を直に鋭く感じることが出来るはずです。慣れてくると軽快タイプから芳醇タイプへ、更に濃醇な味わいに突進していくはずです。未来の奥深い焼酎ライフに必ずや繋がります。
蒸留酒はビールなどのアルコール類よりも度数が高いので初心者は水割りや炭酸割、柑橘系果汁などで割って飲むことも楽しい呑み方です。ビタミンの吸収率も高くなり美容効果も期待できます。
焼酎は本来全部「糖質ゼロ」なので焼酎自体では全く太りません。ダイエット効果も高いアルコールです。また本格焼酎に多量に含まれる「血栓溶解酵素ウロキナーゼ」は血管を掃除してくれるのでこれまた嬉しい限りです。
「国酒」とは日本酒と焼酎。ぜひ、次世代の若者達にもアルコール臭くて苦手だと言わずに徐々にハードルを上げつつ挑戦して頂きたいです。
(鎌田 孝/利酒師)
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