配偶者と離婚ができないから(けど)不倫する、という男女
JIJICO / 2018年7月22日 7時30分
配偶者と離婚ができないから(けど)不倫する、という男女
離婚が成立していないけど別の人との交際を公にする人
今や、芸能界、政界を問わず、一般人の間でも不倫は珍しいニュースではなくなりました。
最近で言うと元SMAPのメンバーでオートレーサーの森且行さん(44歳)が、かねてから交際中の女性と同居していると報じられました(女性セブン2018年7月5日号)。記事によると、森さんの長年別居している妻とは、慰謝料の額などの折り合いがつかずに離婚話が進まない状況とのこと、その中で堂々と交際宣言した真意はなんなのでしょうか?
妻にショックを与えるというメリットはあったでしょう。しかし、これが離婚に有利に働くかどうかは疑問です。
不倫後の話し合いが夫婦の共同作業になるという皮肉
一般的に不倫問題が発覚すると、「これからどうするのか?」と結論を出そうとします。ここで初めて、夫婦の問題が露呈し、なぜ、夫や妻が不倫をしたのか?とお互い、自分に問いかけるのです。本来なら、その原因を解明し、修復に向けて建設的な話し合いが成されるものですが、この「なぜ」が解ると互いが再構築不可能と認識する事もあるのです。
そうなると離婚に向けて、家族が丸く収まる答えを見い出す話し合いが必要になる訳ですが、そもそも夫婦が一緒に歩もうとしている段階でも足並みが揃わないのに、離婚をしようという段階で、気が合い仲良く折り合えるはずがないのです。離婚の話し合いが、皮肉にも夫婦が一番の力を合わせる共同作業になるのです。
こうして夫婦として不協和音があったから不倫も生まれたかもしれないのに、夫婦がソロになる時にこそ、逆に互いの合意点や妥協点を見出す作業というデュエットが必要になります。この着地点を見出す作業、それを夫婦の終い仕事と私は呼んでいます。
長引く離婚話は逆に修復のチャンスになるかもしれない
本当に性格の不一致で妻と一緒に暮らしていくのが苦痛だったとしても、夫だって子供達と離れて暮らすことまでは望みませんから、別居の本当の理由は異性の存在が大いに関係します。
たいていその事を巡って夫婦喧嘩をしますので 別居と、離婚は無縁と言われても、いささか疑問です。離婚の着地点を模索するという事にどのくらいの時間を要するか解らなくなりますが、当方へ寄せられる相談に多いのが、夫が家を出て行ったケースです。
ただ、もし不倫が、慢性的な問題を抱える夫婦に離婚へ背中を押したとしても、異性との交際は離婚へのデメリットになります。だから浮気の尻尾を掴まれたくないから、夫は急いで出てゆくのです。
しかし、夫婦が離婚に向けて話を進めている最中に、不倫の代償として子供の涙に出会い、犠牲の大きさに気付けば儲けもんです。この遅々として進まない離婚話を、逆転させる可能性も生まれるかもしれませんから、長引く離婚話は、チャンスとも捉えましょう。
離婚を待てない辛抱のなさが別居を生む
離婚話は互いの希望が交差した時、初めて、現実が見えるのです。そこからが少し足踏み状態になっても暗礁に乗り上げたということではありません。ただそういう時は不安にもなるので心の支えになる異性とは一緒に居たいのです。
離婚になるまで待てない辛抱の無さが別居と呼んでもいいでしょう。
私流の意地悪な見方をすれば、別居して浮気相手との交際するのは、不倫が離婚理由ではないと言いたいかもしれませんが、夫婦としての限界で離婚を考えていたら、異性が居ようが居まいが、既に話し合いは成されていたはずですから別居後の交際宣言は、跡付けの言い訳かもしれません。
白黒はっきりさせない「グレー」があるのも人間らしさでは
本当に離婚を考えているなら「何も前進するだけが答えじゃない」と、思います。
これまでの夫婦喧嘩では、夫婦の義務や責任に白黒はっきりさせようとしすぎた結果が離婚だとしたらグレーで割り切れない事もあっても人間だからいいのです。必ずしも白か黒か結論を出すのが、良いことかと言うと、そうでもない。
別居しながら不倫相手とも続け、家庭も捨てられないというのは 夫の都合良さだけや優柔不断で腹が立っても離婚は割りに合わないものです。損なそろばん勘定に気付くと妻も結論を急く必要はありません。時間がかかる事は、まんざら悪くないものではないでしょうか。
(村越 真里子/夫婦問題カウンセラー)
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