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冬に感じる倦怠感や疲労感の正体「冬バテ」とは?

JIJICO / 2018年12月11日 7時30分

冬に感じる倦怠感や疲労感の正体「冬バテ」とは?

冬に感じる倦怠感や疲労感の正体「冬バテ」とは?

冬バテは季節の変わり目に体調を崩す季節性感情障害の一つ

「最近なんだかやる気が出ない…」
「眠くて仕方ない…」

そんな声をよく耳にします。冬のせいでしょうか?

最近では夏バテだけでなく「秋バテ」といった言葉もあり、季節の変わり目に体調を崩すことは決して珍しいことではありません。誰しも一度は経験したことがあるのではないでしょうか?

夏バテは夏の暑さによる体力消耗と冷たい物を飲食することにより胃腸機能が低下することで体調を崩します。
秋バテは夏の疲れの残り、急激な気温変化などにより自律神経が乱れ、体調が崩れます。

このような季節の変化によって起こる心身の不調を「季節性感情障害」などと呼びます。

そんな季節性感情障害の中でも、最近注目されているのが「冬季うつ」、別名「冬バテ」などと言われる症状です。

「冬バテ・冬季うつ」とは名前の通り、冬になると調子が崩れてきて、春になると回復するという特徴があります。そのため、自分が「冬バテ・冬季うつ」と気が付かない人も多いかもしれません。

冬バテによく見られる症状は過眠と過食

季節性感情障害にはさまざまな症状がありますが、冬バテの特徴ななんと言っても「過眠」と「過食」です。

例えば、甘い物が異常に欲しくなっておなかが一杯でもお菓子などを食べ続けてしまう。
毎日のように10時間以上寝ているのにもっと寝たくなる、朝起きることができない、日中も眠い、そんな症状が現れます。

【冬バテによく見られる症状】
・ 気分の落ち込み
・ 気力低下
・ 何となくだるい
・ 元気がなくなる
・ 物事を楽しめない
・ イライラする
・ 人と会いたくない
・ 過眠
・ 過食(特に甘い物、炭水化物への強い欲求が出やすい)

過眠や過食による運動不足で、体重増加も起こりやすくなります。

睡眠や感情にかかわるホルモンの分泌量が変わることが冬バテの原因

冬バテは寒くなるとその症状が出てきます。また、冬バテ・冬季うつは緯度の高い地域に起こりやすいという特徴があることから、日照時間が短くなることが大きな原因の一つと考えられています。

日光を浴びる時間が短いとやる気や感情をコントロールする「セロトニン」が活性化されないので、さまざまな身体症状と心の症状が現れます。

(1)日照時間が短くなることで、睡眠をコントロールするメラトニン分泌の量が変化して体内時計が乱れる。

(2)日光の刺激が減ることでセロトニンの分泌が減り、脳の活動が低下する。

これは私の感想ですが、もしかしたら「冬バテ」というのは冬眠の名残で、厳しい寒さから身を守ろうとする力が私たちの体で働いているのかもしれませんね。

おすすめの冬バテ対策

もし、自然に任せて生活できるのであれば寒い冬の間は体の代謝を抑えてゆっくりすることは理にかなっていますが、現代人はそうはいきません。「冬だから仕事を休みます」「寒いから学校を休みます」とはいきませんので、最後に「冬バテ」の予防法について紹介します。

・ できるだけ外にでて日光に当たる。
・ 朝食時は部屋を明るくしたりして光を浴びるようにする。
・ 年末年始など冬は忙しい時期なので疲れをためない。意識して休息をとるようにする。
・ 温かい時間に散歩など簡単な運動をする。
・ メラトニン、セロトニンの原料となるトリプトファンを多く含む食品(バナナ、アボカド、かつお節、大豆類、ゴマ、ナッツなど)をとる。
・ トリプトファンの合成に必要なビタミンB6(かつお節、魚類に多く含まれます)をとる。
・ セロトニンのエネルギーとなる炭水化物(米、イモ類、果物など)をバランスよく食べる。

上に挙げた内容を参考にして、できるだけ症状を軽くし冬を乗り切りましょう。

(早川 弘太/健康管理士)

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