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子どもの吃音、症状について理解を深めいじめをなくそう

JIJICO / 2018年12月14日 7時30分

子どもの吃音、症状について理解を深めいじめをなくそう

子どもの吃音、症状について理解を深めいじめをなくそう

直接的な症状以外にいじめに遭うなど二次的な苦しみも

吃音(きつおん)の症状に悩みを抱える人は少なくありません。思うように言葉を伝えることができず、笑われるなどで孤立し、学校に行きたくても行けないという生徒のニュースもあります。

吃音は言葉が滑らかに出てこないことで、吃(ども)りとも言われます。しゃべり始めに同じ一つの音を繰り返したり、言葉に詰まってうまく話せないのが特徴的な症状です(チック症と類似しています)。
子どもが吃音者の場合は学校でいじめに遭うなど、直接的な症状以外にも二次被害に苦しめられることがあり、本人にとっては深刻な問題です。

本人ばかりではなく、保護者にとってもどうしたらいいのかわからないのが吃音への対策だと思います。

社会の吃音への理解は乏しく、変な癖があるといった程度の認識です。そのため、吃音の症状をまねしたりからかったり、悪ふざけを通り越していじめに発展しやすいと言えるでしょう。

吃音の原因はわからないため、根治することは難しい

発達障害のように先天性のものなのか、遺伝的な要素が関係しているのか、どうして吃音になってしまうのかはいまだに原因はわかっていません。特効薬もなければ有効な治療法もなく、吃音を根治することは現在の医療技術では難しいようです。

そもそも吃音は病気なのでしょうか?つまり、治療して治す必要があるものなのでしょうか?

治るものであれば治したいという人も多いかと思いますし、吃音はその特有の症状から悩みの原因にはなります。しかし、インフルエンザや他の病気のように、必ずしも治さなければならないものではないでしょう。治療して治すようなものではなく、吃音者という存在を社会が認識しその症状を理解して受け入れるものだと私は考えます。

吃音者の存在を認識し、症状への理解を深め、適切な接し方を知る

具体的に、吃音者にはどういった支援やケアが必要で、まわりの人はどのように接していけばいいのでしょうか?

まず吃音というのは、本人はもちろん、医学的にもなぜそうなるのか誰もわからないのです。そのため、本人もどうしていいのかわかりません。

それゆえ、「どもってしまうのは仕方ない」と受け入れるしかなく、あまり人と話さないようにしたりコミュニケーションを避けたり、一人で悩みを抱えてしまうことが多いようです。また、人に言っても理解してもらいにくく、説明しようにも吃音の症状が出てつらいので、自分から積極的に話したがりません。

しかし吃音者が望んでいるのは、吃音の症状を人に知ってもらうこと、自分の吃音のことを人に聞いてもらうことではないでしょうか?少なくとも私は吃音者本人から、「吃音の話をしてもらえてうれしかった」といった感想をもらったことがあります。

吃音への理解を深め、適切な接し方を知り、以下の情報を参考にしながら差別と偏見をなくしていきましょう。

◇本人は自分の吃音のことを話したくても話せないでいることを理解し、普段から機会を設けて本人の吃音に対する思いを聞いてあげること。

◇話を聞く時はせかさないようにし、本人が話を言い終えるまでしっかり聞くこと(最後まで待つ)。

◇吃音者に対して話をする時も、質問攻めにしてまくし立てないようにする。

◇安心感を与えるような話の聞き方や接し方をすること。

◇無理やり治そうとするのではなく、それがその人の特徴なのだと受け入れること。

◇吃音をやじらないこと。

そして最後に、吃音者本人が人に話をする時は、話し始める時に急いで話そうとするのではなく、まずは一呼吸置いてから話し始めてください。どもりそうになったらいったん話を中断し、また一呼吸置いてから改めて話すようにしてみてください。

それでも症状を治すことは難しいですが、少しでも吃音に対する悩みが軽減するように、本人もまわりの人も吃音についての理解を深め、社会全体で意識を改善したいものです。

(宮本 章太郎/心理カウンセラー)

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