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PTAは本当に必要?PTAの存在意義について考える

JIJICO / 2019年4月27日 7時30分

PTAは本当に必要?PTAの存在意義について考える

PTAは本当に必要?PTAの存在意義について考える

PTAとはどういう組織で何のためにあるのか?

知っているようで案外知られていないのがPTAではないでしょうか。 PTAとは父母と先生の会で、家庭と学校とが協力し合って教育効果をあげようとする、学校単位に結成された教育組織のことです。

公立、私立、国立ごとに組織され、幼稚園から高校までの「学校」に作られ、学校に付随する組織であるとともに、各学校→区市町村→都道府県→全国という縦の系列があり、PTAの全国組織として「公益社団法人 日本PTA全国協議会」があります。会員数は全国で1000万人を超えると言われています。

PTAの活動としては「学校行事の運営を手伝う」・「子どもたちの健全育成に関する研究会に参加する」・「学校や児童・生徒の様子を地域に伝える広報」・「登下校時のパトロール」・「卒業式や記念行事のときなど、記念品を贈呈する」・「地域の特性を生かした行事に参加する」などがあげられます。

各学校によってPTAの組織はさまざまですが、一般的にPTA会長をはじめとするPTA役員や、各委員会をとりしきる委員長・委員で構成されています。大抵、会長は父親で、構成者は母親という構造で成り立っており、保護者のボランティアによって維持されています。

PTAが共働き家庭の保護者にとって重い負担に

PTAへの加入はほとんどが任意です。しかし、その確認がないまま入学し学校生活が始まるために、PTAは強制加入というイメージがついています。また、日中・平日の活動が多く、働く保護者の方には参加したくても時間がないので肩身が狭い、役員や委員になれば無理をしても参加しなければならないのでつらいなど大変なイメージも強まり、保護者にとっては「頭痛の種」の傾向にあるようです。

現代では共働きの家庭も増え、保護者の間でも時間を取れる家庭と取れない家庭で差が出てきており、PTAの必要性の有無を見直すべきだという声も上がっています。「活動に時間がさかれすぎる」「ムダな話し合いが多い」「人間関係が面倒」などPTA活動についてはネガティブな声も多く、最近では「不要である」という意見も聞かれます。

確かに、PTA会長をはじめとする役員や、委員長といった役職は、自分の仕事だけでなく地域の集まりに参加したり、学校外の会議に出席したり、など負担が大きく、引き受けるには”それなりの覚悟”が必要であることは事実です。

時代に即したPTAのあり方を考えるべき

そこで近年、従来のPTA 組織のあり方や活動方法を見直し、組織運営のスリム化や活性化によりPTA問題を解決しようとする流れがあります。現に最近は、改革を進めるPTAが増えています。学校側においても、保護者の方たちの置かれた環境も変化しているということが認識されてきており、様々な問題と向き合い、改革を進め、機能的にPTA活動が行われている学校もあります。

「無理」と「無茶」が横行すると噂され、なぜか忌み嫌われるPTA。学校と保護者、地域との架け橋役を期待されるこの組織には様々な問題が付きまといます。また、本来であれば「子供をしっかり教育する」という同じ目的であるはずの教職員と保護者が、対立してしまうといったこともあり、PTAに対する議論は後を絶ちません。

とはいうものの、本来PTA は、保護者の方と先生が協力し合って学校運営に携わり、子どもの学習環境を整えていくということを主な目的として、学校運営は先生が中心になって行うものではあるのですが、先生たちだけではやりきれない部分を、保護者の方たちが中心になって補っていく為に組織されたものです。

いろいろな問題を抱え、様々な議論が飛び交うPTAですが、これからも、時代に合った変革をしながら、学校サイドと協力して子ども達の学ぶ権利を守り、よりよい学習環境を整備していく為の一役を担うものとして、PTAは学校に必要な組織として存在すべき価値があるのではないでしょうか。

(栢原 義則/進学塾塾長)

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