新入社員の離職防止に役立つファシリテーションとは何か?
JIJICO / 2019年8月30日 7時30分
新入社員の離職防止に役立つファシリテーションとは何か?
高い新入社員の入社3年離職率
2019年8月23日朝のHNKテレビ、おはよう日本の「おはBiz」で放送された内容ですが中小企業に入社した新入社員のおよそ44%が、入社3年目までに辞めているということです。また、日経によると、この10年、大卒新入社員の3年以内離職率は一貫して3割程度で推移しているそうです。しかも優秀な人材が少なからずいるそうです。
これは喫緊の課題と言えますが、ファシリテーションを活用することで離職を防止できるのではないかと期待されています。そこでファシリテーションによる新入社員離職防止効果について解説いたします。
ファシリテーションとは?
ファシリテーションとは下の3点を特徴とする行為です。
●人々の活動が容易にできるよう支援し、うまく運ぶように舵取りすること
●集団による問題解決、アイデア創造、合意形成、教育・学習、変革、自己表現・成長など、あらゆる知的創造活動を支援し促進していく働き
●中立な立場で、チームのプロセスを管理し、チームワークを引き出し、チームの成果が最大となるように支援すること
ファシリテーションを行う人をファシリテーターと呼びます。会社内でファシリテーションを活用しやすいのは、会議やワークショップです。ファシリテーターが入った会議は次のような特徴を持ちます。
●否定されることが無いので安心し信頼できる話し合いが行われる
●前向きな内容が話される
●アイデアを紡ぎ合わせ、ひとりでは思いつかないようなアイデアをチームで創出ようとする
ファシリテーションは新入社員の離職防止に役立つのか?
それでは本当にファシリテーションというものが新入社員の離職防止に役立つのでしょうか?ここでは一例として、「否定されない安心信頼できる場での話し合い」について見てみます。「否定されない」とは何を言っても大丈夫ということです。
人を攻撃したりディベート的な発言は良くないですが、会議のテーマについて考えた意見であれば、どんな意見であっても発言者を尊重して聴きます。これにより「安心信頼できる場」が作られます。 私は、新入社員の3年以内離職率を下げるために、ファシリテーションは下の3点で役に立てると思います。
(1)自分がチームの役に立っていると実感できること
(2)チーム・メンバーからもそう言われていること
(3)自分が成長できていると実感できること
否定されない安心信頼できる場で、自分の意見・アイデアが受け入れられ、チームの合意形成に影響を与えている・役立っていると思えたらどうでしょうか?多くのファシリテーターはファシリテーション・グラフィックという手法を使って、チームの議論を模造紙大の紙に書き留めていきます。
こうすることで、今まで何が議論されたのか、今何が議論されているのかがメンバーの前に「見える化」されます。自分の意見・アイデアが受け入れられ書き留められ見える化されることは、自分がチームに役立っていると実感することにつながります。
(2)チーム・メンバーから自分がチームに役立っていると言われていること前向きな話し合いで、アイデアを紡ぎ合わせようとすることは、いわゆる「Yes And」で議論を展開していくことです。何かの意見・アイデアを言った時、メンバーが「いいねそれ。じゃあさらに…」と繋げてくれたらどうでしょうか?
自分の意見が受け入れられ議論の展開に役に立っている、と言ってもらっているのと同じ意味があります。ファシリテーターは議論がこのように進むように議論を促進します。
(3)自分が成長できていると実感できること若者たち、特に優秀な人材は、スキル志向であると私は思います。今所属している会社だけで通用するスキルではなくて、どこの会社に行っても有用な汎用性の高いスキル。ファシリテーターは、会議が効率よく進むように・議論が促進されるように、フレームワークやソフトスキルを道具として使います。
これらの道具を使えるスキルは汎用性が高いものです。「この会社で働き続けると、他社でも必要とされるスキルを身につけることができる」と実感できたらどうでしょう?
もし学生時代の友人と会った時、「私、今の会社に入ってからxxxの分野で成長しているって思えるんだ。周りには同年代が少ないけど、チーム・メンバーの人たちは私のいうことを聴いてくれるし、結構居心地良いよ。」って言えたらどうでしょう?
ファシリテーションをうまく活用することで、会議が変わり、会社が元気になり、新入社員の離職率の低下にもつながる可能性がある、ということをお伝えできていたら幸いです。
(小川芳夫/ファシリテーター)
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