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人生100年時代!シニア世代が地域活動を始める際のポイントと注意点

JIJICO / 2019年10月6日 7時30分

人生100年時代!シニア世代が地域活動を始める際のポイントと注意点

人生100年時代!シニア世代が地域活動を始める際のポイントと注意点

元気の秘訣は「きょうよう」と「きょういく」

定年退職や子どもの独立などをきっかけとして新たに地域活動に取り組んでみたいと考えるシニア世代も増加しています。このコラムでは、地域活動を始める際に最初に考えるポイントや注意点を解説します。

超高齢社会が進展し、シニア世代の社会参加が期待されています。就労や起業のみならず、これまで培ってきた経験やスキル、趣味や特技を生かした地域活動の分野で活躍するのも選択肢の1つです。地域活動などを通じて役割意識を実感することが、自分自身の介護予防や生きがいづくりにもつながる可能性があります。健康づくり体操を指導するボランティアを経験したことを通じて、自分自身の生きがい感が向上したという研究があります(※1)。また、地域のサロンによく参加するなど社会的な交流が盛んな人は、認知機能低下のリスクが低いというデータもあります(※2)。

シニア世代に絶大な人気を誇る毒蝮三太夫さんは、元気の秘訣は「きょうよう」と「きょういく」だと言っています(※3)。ひらがなであるのがポイントで、実は略語です。正確には、

「今日する用がある(きょうよう)」
「今日行く場所がある(きょういく)」

なのだそうです。役割意識を感じながら周りの人と交流することが大切であることをユーモラスにまとめた絶妙な表現です。

新しい活動を始めるときに考えてみたい3つのこと

新しいことを始めたいと漠然と考えつつも具体的な活動が思いつかない時には、以下の3つのことを考えてみるとよいでしょう。

●したいこと
●できること
●周囲の人が喜んでくれること

仕事や子育てで時間が取れずに実践できなかったことが誰しも1つはあると思います。やってみたいと思うことに挑戦するのに遅すぎるということありません。また、人生で培ってきたスキルや特技も地域活動に活かすことができます。そして、周囲の人が喜んでくれることだと、なおさらやりがいを感じることでしょう。

たとえば、子どもの笑顔を見ることが好きな人は、子どもと関わる地域活動を視野に入れてみてはいかがでしょうか。行政の子育て支援センターにボランティア登録をして、今まさに子どもを育てている若い世代の話し相手になって、自分の子どもが癇癪を起したときにどう対処したかといった経験を話すだけでも、貴重な社会貢献です。本やインターネットでは知りえないようなちょっとした知恵が地域の役に立つ場面も多々あるのです。

地域のボランティアが子どもに囲碁や将棋を教える学童保育所もあります。趣味でさえも周囲の人が喜んでくれる地域活動へと結びつくことがあります。したいこと・できること・周囲の人が喜んでくれることは重なり合うこともあります。3つのうち2つ以上が重なり合う領域が、やりがいを感じやすく長く続けられる可能性のある領域です。

トラブルを避けるための注意点

地域活動を行う際にトラブルを生んでしまうケースも残念ながら見受けられます。以下の2つのことに注意が必要です。

●価値観の違いや非効率を受け入れる
●フラットな関係づくりを意識する

地域活動のグループに新たに参加した際に、自分がそれまで属していた会社や組織との価値観の違いや非効率が気になる場合もあるかもしれません。自分の人生で培ってきたものは大事ですが、相手にも同じように培ってきたものがあります。誰かが不当に不利益を被るような場面以外は、角を立てずに相手の考えを許容することも時には必要です。

また、地域では上下関係を持ち込まず、フラットな関係を構築することを心がけたいものです。かつての職場で重要な役職についていた男性は特に注意が必要です。地域に貢献したいと願っているのに厄介者扱いされてしまったのでは、誰も幸せになりません。

以上、地域活動のポイントと注意点を解説しましたが、あまり難しく考えずに、地域の人とフラットな関係を作り、無理のない範囲で続けられる活動を探してみてください。

※1 Hikichi Hiroyuki, Kondo Katsunori, Takeda Tokunori, and Kawachi Ichiro(2017) Social Interaction and Cognitive Decline: Results of a 7-year Community Intervention. Alzheimer’s & Dementia. Vol.3 pp 23-32.
※2 Ichida Yukinobu, Hirai Hiroshi, Kondo Katsunori, Kawachi Ichiro, Takeda Tokunori, Endo Hideki(2013)Does Social Participation Improve Self-Rated Health in the Older Population? A Quasi-Experimental Intervention Study. Social Science & Medicine. Vol.94 pp.83-90
※3 毒蝮三太夫(2017)『人生ごっこを楽しみなヨ』KADOKAWA

(田久朋寛/大道芸人/高齢者介護レクリエーション講師)

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